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2026年07月01日09:10

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映画「黒牢城」

時は戦国。
荒木村重(本木雅弘)は、主君の織田信長の暴虐ぶりに反発し、伊丹の有岡城に立てこもって謀反を起こす。
城には、信長の使者として、説得に黒田官兵衛(菅田将暉)がやってくるのだが、村重は官兵衛を捕え、地下の土牢に幽閉。官兵衛はそれならば殺せ!と叫ぶ。
彼は息子・松寿丸を人質に出しており、牢にとらわれたままだと、織田方には「村重に寝返った」とみなされ、息子を殺されかねないからだ。

しかし、村重は官兵衛を殺すことなく牢に留め置く。
敵に包囲され、孤立無援の有岡城。
そんな中、場内では怪事件が次々に起きる。

親と叔父が織田方に寝返った安部自念をとらえ、屋敷の一室に閉じ込めていたところ、殺されているのが見つかる。矢傷があったが、雪の積もった庭には足あとがないし、状況からして矢を放てる可能性がない。

織田方の武将が有岡城そばまで近づき、雑賀孫六(渋川清彦)率いる雑賀衆と高山大慮(渡辺いっけい)率いる高槻衆が出陣。それぞれが「敵将の首」を挙げるが、どれが大将の大津伝次郎のものかわからない。そしてその首の人相が「凶相」に。仏罰だ、という声が城内でささやかれる。

城と外を自由に往来して情報を伝達していた僧の無辺(荒川良々)が殺害された。
村重は彼に、明智光秀宛ての密書と、名品の壺を託していたのだ。
無辺殺しとして疑われたのは、能登入道(吉原光夫)。しかし彼は石垣の上で鉄砲で何者かに撃たれる。直後、たくらみの痕跡を消すように、雷鳴が響き、能登入道は雷に撃たれてしまった。
村重の側近・十右衛門(オダギリジョー)は、狙撃場所近辺に鉄砲を持ち込んだ者はいない、と村重に報告。

村重は、事件のたびに地下におりて、官兵衛の知恵を乞う。
ひげが伸び、ぼろをまとうような様相になりながらも、官兵衛はなぜ事件の真相を解けないのか、なぜわからないのか、と挑発する。

村重には千代保(吉高由里子)という正室がいるが、彼女は大坂本願寺の坊官の娘。
かつて長島一向一揆で織田軍に攻められ、地獄のような戦場から生還していた。
千代保は、神仏は、たくらみをすべて見抜いているのだ、ということを知らしめようとしていた。

そして村重が自念も官兵衛も、人質を殺さなかったのは「信長ならすぐ殺した。ならばわしは殺さない」という思いが根底にあったのだった。

毛利軍を待つものの、援軍は来ず、有岡城の士気は上がらない。
村重は十右衛門らを伴って尼崎城へと援軍を仰ごうと、ひそかに城を抜け出すのだった・・

「黒牢城」が映画化、と聞いて、以前買ったまま読まずにいた米澤穂信の原作「黒牢城」をあわてて読む。テンポのいい軽妙な語り口なので、500頁の長編も、さほど気にならずに読める。

映画の方は、ほぼ原作通りだった。
ただ、原作では、有岡城から解放された官兵衛と、息子の松寿丸との感動的な対面がクライマックスでありラストシーンなのだが、映画では再現されていない。
あくまで映画は「荒木村重の物語であり、主演は本木雅弘」ということだからだろうか。
あと、千代保が、ちょっとミスキャストでは・・という気がしないでもない。

おりしも、NHKの大河ドラマでも、有岡城で謀反を起こす村重(トータス松本)、松寿丸の処遇に苦悩する竹中半兵衛(菅田将暉)、そして牢に幽閉される官兵衛(倉悠貴)の物語が放映されたばかりなので、

「竹中半兵衛が、映画では黒田官兵衛か・・」と、菅田将暉の芸達者ぶりに感じ入った次第。

村重の謀反や城からの逃亡には、今でも謎が多く、21世紀でも小説や映画として、新たな物語が作られるのだろう。

映画の出演はほかに、村重の家来衆の荒木久左衛門(青木崇高)、雑賀下針(柄本佑)、秋岡四郎介(ユースケ・サンタマリア)、中西新八郎(近藤芳正)、官兵衛を助けようと城内に忍んできた栗山善助(前田旺志郎)ら。

どなたかが、牢の中の人間にあえて事件解決の知恵を乞うって「羊たちの沈黙」のレクター博士を思い出す、って言ってたけど、スタイルはまさにそうですね。
(6月28日、イオンシネマ大野城)
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