花村萬月著
続編かよッ!!
も〜〜ホント勘弁してくれ〜〜マジで。
表紙にちゃんと書いといて下さい、「夜半獣」シリーズ二作目だって。
どうりで読んでて、微妙に置いてけぼり感あるなぁと思ったわ。
475pをモヤモヤと読み切って、巻末のあとがきでようやく気付くという大失態。
「シリーズものトラップ」に引っ掛かかったのはこれで何度目であろうか?
ええハイハイそうでしょうとも。
「どこから読んでも良い様に書いてます」と。
皆様そう仰います。
だがしかしッ、俺が嫌なんです。
シリーズものは、きちんと一作目から読みたいのッ!!
例えば「金田一シリーズ」みたいに、事件事件が完全に独立してるパターンならまだしも、前作の『夜半獣』とガッツリ繋がってるみたいじゃないですか。
今作を完璧な状態で読了するには、前作チェックが必須なのでは?
っつーわけで、今作『槇ノ原戦記』から感じたことのみでこの感想文を書くことになるわけですが、一読者として、花村先生が今作に込めた思いを充分に受け止められたかというと自信ないですね。
舞台は戦時中、群馬県山中にある架空の集落「槇ノ原」
配給が途絶え奥地で孤立した集落では、食料を巡る抗争が勃発。
飢餓に苦しむ村民たちによる極限サバイバルが始まる。
>私は前作<夜半獣>書いていたころから朧気に食人を書かなければならないな―と、心の底で思っていました。
私はそれを娯楽作品で顕したい。
↑巻末あとがきより抜粋させていただきました。
食人だからって堅苦しい話にしたくない、愉しんで読んでもらいたいと。
「あ〜〜腹減った」
「じゃあさ、あいつら殺して喰っちゃう?」
「う〜〜ん、このままだと飢え死にしちゃうから仕方ないよね♪」
マジでこんな感じ。
いくらなんでも軽過ぎる。
生命維持活動の原点である摂食、食人という禁忌中の禁忌、この本能と人間性のせめぎ合いで読ませるんじゃないんですか?
余りに食人のハードルが低過ぎる。
憎悪・葛藤・懊悩・躊躇・後悔、人間性を逸脱する過程をすっ飛ばし、ひたすら奪い殺し喰らい尽くす。
そもそも、死体を食べるだけでも相当抵抗あるのに、生きている人間を殺して食べるえげつなさ。
更には性奴隷兼保存食として、生き残った人間を飼育し始めるに至り、今作に於ける倫理観は完全崩壊、嫌悪感は限界突破。
飽食の時代に生まれ、人生で只の一度も飢餓という地獄を経験していない俺が言うのも何ですが、読中終始不快でした。
俺も含め今作を手に取った読者も全員、野蛮から切り離された文明社会で暮らしていることでしょう。
サイコパスでもない限り、社会生活を営む上で当然の感覚として、暴力に対する拒否反応が醸成されているはず。
目を背けたくなる様な過激な暴力を描くならばその先に、どうしてもそれを書かなければならない必然性か、暴力描写に対する嫌悪感を打ち消すほどの娯楽性が求められます。
今作の過剰な暴力描写の数々は、ただアクションシーンを際立たせるためだけに大量に散布されたスパイスのような印象しか残りませんでした。
あの独特の世界観に魅了された読者もいるかもしれませんが、暴力描写に対する嫌悪感が突出して他の要素を全て塗り潰しています。
作品全体を分厚いファンタジーフィルターで覆ってはいるものの、その嫌悪感はとても濾しきれるものではありません。
逆にこのふわふわしたファンタジー要素が、食人という今作のテーマへの真摯さを著しく損なってきます。
巻末あとがきには反しますが、エンタメにブレず真っ向から戦時中の飢餓を描いてほしかったというのが正直なところ。
先に『夜半獣』を読んでいれば、この感想もまた変わったものになったかもしれません、、、
花村先生、初対決なのに辛辣過ぎてスイマセン
★★☆☆☆
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