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2024年02月06日09:38

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読書日記N o.1592(人生もコーヒーも、苦いけどうまい。)

■原田ひ香「喫茶おじさん」2023年10月小学館刊

昨夜は、東京23区でも大雪警報が出され、どうなることかと思いましたが、今朝は
17階の病窓から見る限り、雪はビルの屋上にあるくらいです。

また、今朝、主治医から話があり、10日に及ぶ入院生活も、明朝退院できることに
なりました。皆さまにはご心配をおかけしました。

さて、入院生活中、一冊だけ、軽い小説が読めましたので、その読書日記です。

タイトルから、喫茶店が好きなおじさん、とは私のことかなと、親近感を抱いた次第
です。よく考えれば、昭和時代から、酒場以上によく行っていたのが喫茶店でした。

嗜好品として、私はもともと、お酒も好きでしたが、2年前に大病を患ってから、一滴
も飲んでいません。そんな中、現在のお口の無聊を紛らわしているのは、珈琲です。

入院しても、病院内のコンビニに、毎日、3度は行き、淹れたてのコーヒーを購入して
病室に戻り、病窓を眺めがら嗜めるのが、至福の時間です。

さてさて、私の珈琲経験ではなく、本書でした。惹句を少し長いですが、紹介します。

”人生もコーヒーも、苦いけれどうまい。
『三千円の使いかた』で大ブレイクの著者が描く、グルメ×老後×働き方!”

”松尾純一郎、バツイチ、57歳。大手ゼネコンを早期退職し、現在無職。妻子は
あるが、大学二年生の娘・亜里砂が暮らすアパートへ妻の亜希子が移り住んで
約半年、現在は別居中だ。再就職のあてはないし、これといった趣味もない。”

”ふらりと入った喫茶店で、コーヒーとタマゴサンドを味わい、せっかくだから
もう一軒と歩きながら思いついた。趣味は「喫茶店、それも純喫茶巡り」にしよう。”

”東銀座、新橋、学芸大学、アメ横、渋谷、池袋、京都──「おいしいなあ」「この味、
この味」コーヒーとその店の看板の味を楽しみながら各地を巡る純一郎だが、苦い過去
を抱えていた。妻の反対を押し切り、退職金を使って始めた喫茶店を半年で潰していた
のだ。仕事、老後、家族関係……。たくさんの問題を抱えながら、今日も純一郎は
純喫茶を訪ねる。”

アラ還暦のおじさんとその家族を巡る、おじさんの生き方の物語がストーリーとして
流れますが、この小説の主人公は、12ヶ月行く先々での、純喫茶店のたたずまいと
そのメニューです。

おじさんの以下のつぶやきが、なかなか素敵です。

”「おいしいなぁ」「この味、この味」”
”人生の時間を潰す、というのも、喫茶店の大切な役割だ。”

病院食に飽きてきた頃ですので、娑婆に出たら、無性に、純喫茶に行って、美味しい
コーヒーと軽食を食したくなりました。
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