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2022年07月24日16:44

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ストロング小林さん追悼(199)

76年新日本プロレス春の祭典「第3回ワールド・リーグ戦」は4月2日、神奈川県川崎市体育館で開幕。ペドロ・モラレス、キラー・カール・クラップ、ビクター・リベラ、タワーリング・インフェルノ(スーパー・デストロイヤー、ネイル・グアイ)、ブッチャー・バション、ケン・マンテル、ラウル・マタの外国人選手が参加。

日本側は第1、2回優勝者の猪木はシードされ、リーグ戦1位の選手と優勝決定戦を行うことになりました。他リーグ戦参加は坂口征二、ストロング小林、星野勘太郎、山本小鉄、木戸修、永源遙にフリー参戦のマサ齋藤の猪木を除く14選手が総当たりリーグ戦で対戦。あらゆる勝ち1点、あらゆる引き分け0.5点、あらゆる負けが0点。

リーグ戦首位の選手が5月11日、東京体育館で猪木と優勝決定戦を行います。

また、リーグ戦に新日本プロレス初参戦となるパク・ソンナン(朴松男)が参加予定でしたがキャンセルとなりました。リーグ戦には参加しませんがシリーズ終盤に大韓プロレス協会派から張永哲(チャン・チョン・チル)、千圭徳(チョン・ギ・ドク)、禹基煥(ウ・キハン)が特別参加。シリーズ最終戦の5月13日、大阪府立体育会館では「日韓親善プロレス大会」行われることになりました。

大木金太郎(金一)が全日本プロレスに移ったことで、前75年8月の「闘魂シリーズ」に参戦した羹成英(南海山)、呉大均ら金一道場派は全日本プロレスのリングに上がることになります。

何と言っても特筆すべきは元WWWFヘビー級&WWA世界ヘビー級王者、「ラテンの魔豹」モラレスの新日本プロレス初登場、リーグ戦初参戦です。42年プエルトリコ・ポンセ出身。

これまでも新日本プロレスに元WWWFヘビー級王者としてスタン・スタージャック、イワン・コロフが来ていますが、いずれも短期のショートリリーフ王者で、モラレスは71年2月8日、ニューヨークMSGでコロフを破って王座獲得。73年12月1日、ペンシルバニア州フィラデルフィア・スペクトラムアリーナでスタージャックに敗れるまで2年10か月に亘って王座に君臨していた超大物。

これで、引退していた初代王者バディ・ロジャースと当時の現王者で馬場との信頼関係を優先させ、ビンス・マクマホン・シニアによる新日本プロレス行きの命令をを頑なに拒否していたブルーノ・サンマルチノ以外のWWWFヘビー級王座経験者は全て新日本プロレスに来たことになります。

初来日はロサンゼルス時代、日本プロレスの66年3月、「第8回ワールド・リーグ戦」。この大会に凱旋帰国だった猪木は前65年暮れ、会社の資金をギャンブルにつぎ込んだとして公金横領の科で日本プロレスを追放された豊登に説得され(いわゆる太平洋上猪木略奪事件)日本プロレスには戻らず、新団体東京プロレスに参戦してしまった為、モラレスと対戦はなし。

「第8回ワールド・リーグ戦」ではウィルバー・スナイダーに次ぐ2番手の扱いで馬場に負け、大木と引き分けで外国人側2位に終わり決勝進出は成らず。

2度目の来日は74年5月の全日本プロレス「MSGシリーズ」。ビンス・シニアから贈られたとされる「MSG杯」を持参。シリーズ中に「MSG杯争奪戦」を5試合行い、鶴田、サンダー杉山、高千穂明久、サムソン・クツワダに勝ち、ザ・デストロイヤーとは両者リングアウト、シリーズ最終戦の6月13日、東京体育館での馬場とのPWFヘビー級選手権試合はMSG杯も賭けた二冠戦となりましたが馬場に2−1で敗れMSG杯は馬場に奪われて帰国しました。

この年の10月に、初回の猪木戦に敗れ「鍛え直す」とWWWF地区に修行に来ていたストロング小林とは何回か対戦していますが、いずれもモラレスに軍配が上がっています。猪木、坂口征二とは初対決となりますが、手の内を知っているS小林とは久しぶりの対戦となる訳です。

アメリカ武者修行時代の馬場に「32文ロケット砲」を伝授したとされ馬場との友情エピソードもサンマルチノほどではないものの残されており「親馬場派」と見られていただけに新日本プロレス参戦を聞いた当時はビックリしました。

第1、2回準優勝の「青銅の爪」クラップは1年ぶりの来日。前75年の第2回大会は猪木、坂口、S小林の三強を総ナメにし、大木とは両者リングアウト、山本小鉄に不覚の金星献上をしましたが13.5点で堂々の1位通過での決勝進出。

2位には猪木、坂口、S小林、大木の4選手が12.5点で横並びとなり、4人による決勝進出者決定トーナメントを行うことに。5月16日、日大講堂での優勝決定戦では2位の4人が抽選を行いトーナメントの試合順と組み合わせが決まることに。

抽選の結果、トーナメント第1試合が猪木vsS小林、第2試合が坂口vs大木、第3試合が第1試合の勝者vs第2試合の勝者。第4試合が1位のクラップvs第3試合の勝者による優勝決定戦となり、2位の選手は優勝するのに最大3試合勝たないと優勝できないという、クラップにとって有利過ぎる展開。

第1試合は猪木がS小林を20分22秒、グラウンド卍固めで破りました。第2試合の遺恨試合、坂口vs大木は互いの感情が出て試合にならなくなり2分23秒、両者リングアウトとなり両者失格。

坂口vs大木が両者失格となったことで第1試合を制した猪木の決勝進出が決定。16分42秒、猪木がグラウンド卍固めでクラップをギブアップさせて猪木が2連覇を達成しています。

外国人勢の中で唯一3年連続3度目の出場となったクラップですが、この年はそう簡単にはいかないでしょう。やはりモラレスがエースとして存在する以上、過去2回と同じような独走態勢は出来ないと思われます。
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