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2022年07月19日05:33

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ストロング小林さん追悼(193)

76年新日本プロレス「ビッグ・ファイト・シリーズ」開幕戦の4日前に猪木と新間寿営業本部長が港区南青山の事務所で記者会見を行い、力道山時代の55年11月以来、実に21年ぶりに「アジア・リーグ戦」(アジア選手権大会)の開催を実施すると発表し、全日本プロレス、国際プロレスの両団体に参加を呼び掛けています。

猪木がリーグ戦開催の趣旨について説明。「これを思いついたのは昨年なんです。われわれはよくアメリカに行くが、まぁアメリカは何と言ってもプロレスの本場ということになっており、世界タイトルなどもアメリカのプロレス団体が認定したものを挑戦して奪うことをレスラーとしての目標にしている。それはそれで大いに結構なことだと思う。

現に私もアメリカのNWFが認定する世界チャンピオンですからね。しかし現実にわれわれがプロレス活動をしているのはアメリカではなくて日本、というよりアジア大陸なんですよ。アメリカへ行くたびに感じることなんだが、彼らはカナダ・チャンピオン、USチャンピオンだということに胸を張っている。そういう地区認定タイトルみたいなものを非常に大事にしているし、また権限を持たせている。

日本チャンピオンは誰か、アジアのチャンピオンは誰だと聞かれた時に私は答えに詰まってしまうんです。アメリカのタイトルを狙うことだけがわれわれにとって大事なことではない。やはり日本でやっているんだから日本チャンピオンというものも作らねばならないし、アジア・チャンピオンも作らねばならないのではないかということを思いついたのです。

本来ならばまず日本選手権というのを先にやるべきなんです。しかしこれは私がここ数年来提唱し続けても他の団体が乗って来ない。それではアジア諸国に呼び掛けてアジアのレスラーを集めてアジアの王者を先に決めようというのがこのリーグ戦の趣旨です」

開催の時期は今年(76年)7月9日〜8月5日の約1か月間。実行委員長となった新間は「一応、主催は新日本プロレスということになるが、全日本プロレス、国際プロレスにも参加を呼びかけて、共催ということで話し合い姿勢は持っています。全日本プロレスではジャイアント馬場、ジャンボ鶴田の両氏、国際プロレスではラッシャー木村、マイティ井上の両氏に参加をして頂きたい」と説明。

また、新たにアジア・ヘビー級王者とアジア・タッグ王者をこのリーグ戦において決定すると発表してします。

記者から「活動休止している日本プロレスにもアジア・ヘビー級とアジア・タッグ王座があるが、それとは別物か?という質問には新間は、

「日本プロレス時代にそういうタイトルがあったことはわれわれもわかっています。しかし現実に日本プロレスが崩壊してから3年になろうとしていますがタイトル戦は一度も行われていないですし、はっきり言って事実上消滅したものと思います。われわれが提唱するアジア・リーグ戦は決してこの旧日本プロレスのアジア・シングル、アジア・タッグの両タイトルを復活しようとするものではありません。全くの別物、新規にアジアのシングル、タッグのチャンピオンを決めると言うものです。その為に新しくコミッションから設立しようと言っているんですから。」と日本プロレスのアジア・ヘビー級、アジア・タッグとは別物であることを強調しています。

これを受けて馬場は「新聞で見ましたが、あの程度の大雑把なことではよくわからない。検討のしようがない。いい企画だとは思いますがね。具体的な呼びかけがあってから検討しますよ。いろいろな条件を見てね。統一コミッショナーも本当に中立の人なら賛成ですが、色のある人は絶対反対する」と例によって慎重な回答でしたが、

前75年12月に開催された「オープン選手権」に参加を呼びかけたことに対し(この時は猪木を直接指名した訳ではないが)猪木がマスコミの取材に対し「オープン選手権と馬場戦では意味が違う。向こうの興行に出て全日本プロレスを儲けさせる気はない」と拒絶していることから「何を今更アジア・リーグ戦に出てくれなどと言えるのか?」と名前を使われて迷惑と言った感じでした。

国際プロレスの吉原功社長は「まあ統一コミッショナーなどと言うのは以前から私が言っていたことでね。3団体で話し合って納得して決めるなら大いに結構だ。しかし、新日本プロレスがこの人を、というのはおかしい。アジア・リーグ戦も実際にはまだ私のところに話が来ていないのだから話のしようがない。

私は昨年、全日本プロレスのオープン選手権へ選手を貸出したように、これが日本のプロレス界の発展につながると思えば協力もやぶさかでない。ただそういう話を一方的にされても困る」とコメント。

吉原社長も前75年6月に、エースであるR木村が猪木に挑戦状を送った時に、猪木に「木村よ、己を知れ、俺とお前とでは格が違う」と一蹴された怨みは忘れてはおらず、馬場と異口同音のニュアンスである。ただし、団体の経営が厳しい国際プロレスにとっては金銭的メリットがあれば、協力することもあり得るというスタンスです。

統一コミッションについてですが、新日本プロレスは衆議院議員である秋田大助氏を推しており、馬場と近いとされている日本アマレス協会会長である八田一朗氏については拒絶的。新日本プロレスが推す秋田氏は馬場はおそらく受け入れることは考えにくいです。

さらに、アジアのベルトを保管している日本プロレスの芳の里社長、日本プロレス時代のアジア・ヘビー級最終保持者だった大木金太郎、アジア・タッグ最終保持者だった上田馬之助(松岡巌鉄は消息不明)がどんな反応を見せるかも注目の的になって来ました。

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