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2022年07月14日05:56

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ストロング小林さん追悼(188)

76年新日本プロレス「新春黄金シリーズ」は1月2日、埼玉県越谷市体育館(テレビ収録、観衆2,500人満員発表)大会。正月三が日とあって午後2時試合開始、当日午後8時からの「ワールドプロレスリング」で録画放送。

番組の冒頭にタイガー・ジェット・シンが登場、セミ前で星野勘太郎とシングルマッチ30分1本勝負で対戦、シンは入場時はいつもと変わらない様子でしたが、レフェリーのミスター高橋にサーベルをあっさり渡し試合開始、星野をロープに詰めて、ブレイクの際、両手を大きく上げてクリーンブレイク、観客からは大きなどよめきが起きています。

シンはカウンターのトーキックは使いましたが、反則らしい反則はほとんどせず4分23秒、星野のバックに回るとスクールボーイ(横入り式エビ固め)気味のエビ固めでフォール勝ちしてしまいました。

セミファイナルは猪木と初来日のザ・ブルータス(シリーズ途中からブルータス・ムルンバに呼称を変更。)の45分1本勝負。ブルータスは186cm、120kgのガッチリした身体つきをしていましたが技はほとんどなく反則ばかり。猪木はブルータスを場外に落とすとコーナーの鉄柱に額をぶつけて流血させ、リングに上がるとブルータスの割れた額にナックルパンチの連打。とどめはブレーンバスター、9分34秒、体固めで猪木がフォール勝ち。

セコンドについていたシンが猛抗議、「猪木は俺のことを反則ばかり使うと言っていたが、反則をして勝っているのはお前の方じゃないか!俺は今日反則を使わずに勝った。猪木もチャンピオンなら正々堂々と闘え!」とアピールしています。この日の2試合を見る限り、ベビーフェイスとヒールが入れ替わった感じです。

メインイベントは坂口征二&山本小鉄組vsジ・インフェルノス2号&3号。1本目は15分48秒、日本組の反則勝ち、2本目は1分39秒、2号が小鉄を体固め、決勝の3本目は6分20秒、小鉄が3号を回転エビ固めで破り2−1で坂口&小鉄組の勝利。

テレビ中継はこの3試合でストロング小林の試合は放送されず、シンvs星野戦の前にスティーブ・ライトとのシングルマッチが組まれ、10分2秒、体固めでフォール勝ち、新年第1戦は白星発進。ブルドッグ・オットーは永源遙を7分39秒、体固めに降しました。

この76年は全日本プロレス「新春ジャイアント・シリーズ」が初の1月2、3日後楽園ホール昼興行2連戦で開幕。前半戦には前75年には米国版IWAにエースとして参戦し一度も来日がなかったミル・マスカラスが1年半ぶりに来日、国際プロレスは1月5日、後楽園ホールで「新春パイオニア・シリーズ」を開幕させています。

第2戦の1月3日、八王子東京サマーランド特設リング(観衆3,000人満員発表)大会でS小林はメインイベントに出場、坂口とのパワー・ファイターズでインフェルノス2&3号と対戦、1本目は13分47秒、S小林が3号を体固め、2本目は3分4秒、2号がS小林を体固め、決勝の3本目は3分25秒、坂口が2号にリングアウト勝ちで2−1で坂口&S小林組が勝っています。

第3戦、1月4日、千葉県柏市ヤングボウル(観衆2,800人発表)大会でS小林はセミ前でブルータスとシングルマッチで対戦、9分34秒、片エビ固めでフォール勝ち、セミファイナルは坂口とシンのシングルマッチが組まれて6分21秒、シンが体固めでフォール勝ちしています。

この日昼から75年東スポプロレス大賞授賞式が行われていますが、この年は後楽園ホールでファンを往復ハガキで無料招待しての有観客で開催、最優秀選手賞(MVP)受賞の馬場と年間最高試合賞(ベストバウト)受賞の猪木が、日本プロレス時代から4年ぶりにファンの前に揃って登場。フォトタイムでカメラマンからの「握手して下さい」という注文に対し、快く応じています。

第4戦、1月6日、大阪・堺市金岡体育館(観衆2700人発表)大会で猪木とシンが今シリーズ、タッグマッチにて初対戦、猪木&小鉄組vsシン&ブルータス組ががメインイベントで組まれ、1本目は16分46秒、シンが小鉄を体固め、2本目は7分9秒、猪木がブルータスを弓矢固め(ボーアンドアロー・バックブリーカー)でギブアップさせて1−1。

決勝の3本目は2分33秒、ブルータスが小鉄を体固めに降し小鉄が2本取られて2−1でシン&ブルータス組に軍配が上がりました。

セミファイナルは坂口がSライトを8分37秒、アルゼンチン・バックブリーカーでギブアップさせ、S小林はオットーを10分18秒、逆エビ固めでギブアップさせています。

1月7日、東京・内幸町の帝国ホテルで記者会見が行われ、72年ミュンヘン五輪柔道重量級、無差別級金メダリスト、史上初の二階級制覇を成し遂げたオランダの柔道家、ウィリエム・ルスカ(当時35歳)が「プロ格闘家」に転向、既に猪木に挑戦を表明しており、猪木がこれを受諾、2月6日、日本武道館での対戦が発表されました。

新日本プロレス初の日本武道館大会のカードは誰も予想出来なかったプロレス対柔道の「格闘技世界一決定戦」に決まりました。

1月8日、山口県徳山市(現在の周南市)体育館(観衆2,100人発表)大会ではS小林とシンがセミファイナル45分1本勝負で対戦、シンが6分45秒、体固めでフォール勝ち。

前日の「日本武道館のメインは猪木vsルスカ戦」を聞かされたシンは怒り心頭、「武道館のメインは俺と猪木のタイトルマッチ(NWF世界ヘビー級選手権試合)ではなかったのか!俺にはリターンマッチを挑む権利がある。それを訳のわからない柔道の選手とやるなんて…こうなったら明日の福岡で猪木を再起不能にして、ルスカと闘えなくしてやる」と宣言しました。

1月9日、福岡九電記念体育館(テレビ生中継、観衆4,600人満員発表)大会、メインイベントでは猪木とシンのシングルマッチ60分1本勝負。日本武道館大会のメインイベントから外されて怒りのシンは開幕戦でのクリーンファイトをかなぐり捨て、試合前にレフェリーのミスター高橋を襲ってダウンさせました。

代わってレフェリーは田中米太郎が務めましたが、シンは猪木を流血させて一方的に反則で押しまくり、田中レフェリーは自分の身に危害が及ぶことを怖れたかオロオロして厳しくチェック出来ず、場外乱闘となり13分26秒、両者リングアウトの引き分け。猪木はほとんどいいところがなく、ルスカ戦へ向けてのダメージが心配されました。

セミファイナルは坂口&S小林組のパワー・ファイターズがオットー&Sライト組の欧州勢と45分3本勝負で対戦、1本目は14分16秒、S小林がオットーをラクダ固め(キャメルクラッチ)でギブアップさせて先制、2本目は3分14秒、坂口がSライトを片エビ固めで降し坂口&S小林組が2−0のストレート勝ちを飾りました。

他、星野はインフェルノ2号を7分47秒、回転エビ固めで破り、インフェルノ3号は永源に12分33秒、反則勝ち、ブルータスは柴田勝久を6分12秒、カナディアン・バックブリーカーでギブアップさせています。
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