ストロング小林さん追悼(179)

75年新日本プロレス「闘魂シリーズ第２弾」後半戦九州決戦、11月23日、鹿児島県指宿市特設リング(観衆3,500人超満員発表)大会。

この日より、元ＷＷＷＦ世界ヘビー級王者、「ロシアの怪豪」イワン・コロフが特別参加。１週間前にはニューヨークＭＳＧで「人間発電所」ブルーノ・サンマルチノと壮絶な喧嘩マッチを繰り広げた全米のトップ中のトップ外国人レスラーです。

これまで、元ＷＷＷＦヘビー級王者といえば前74年の「第１回ワールド・リーグ戦」に参加した「狼男」スタン・スタージャックがいましたがこちらは期待外れに終わりました。

コロフの新日本プロレス初登場第１戦の相手はストロング小林でシングルマッチ30分１本勝負。かつて国際プロレスのリングでＩＷＡ世界ヘビー級王座を賭けて対戦経験があり、さらに同系のパワーファイターということで手の内はよく知っています。試合は11分16秒、両者リングアウトの引き分けに終わりました。

猪木はセミファイナルに出場、リッキー・ハンターとシングルマッチ45分１本勝負で対戦、７分31秒、アバラ折り(コブラツイスト)でギブアップ勝ちを奪いました。

なお、フィデル＆ラウルのカステロ・ブラザーズは11月20日の那覇大会を最後に帰国しています。

11月24日、鹿児島県大口市(現在の伊佐市)体育館(観衆2,500人発表)大会、Ｓ小林はセミファイナル45分１本勝負でグレッグ・バレンタインとシングルマッチで対戦し、14分49秒、両者リングアウトの引き分け。前回５〜６月の「ゴールデン・ファイト・シリーズ」では１度の両リンはあったものの、シングルでバレンタインにはフォール勝ちしていますが、負傷帰国したミスターＸに代わり、北米タッグ王座挑戦が決まったバレンタインには勝たせてはもらえず…。

ちなみにこの日のメインイベントでは猪木＆柴田勝久組がコロフ＆ハンター組と対戦、１本目は11分10秒、猪木がハンターを体固め、２本目は６分11秒、３本目は３分52秒、いずれもコロフが柴田をカナディアン・バックブリーカーでギブアップさせて２−１でコロフ＆ハンター組が勝利を収めました。

九州から11月25日は山口県に移り、下関市体育館(観衆2,600人発表)大会。Ｓ小林はメインイベントに出場、坂口征二とのパワー・ファイターズでベアキャット・ライト＆バレンタイン組と対戦。１本目は13分27秒、Ｓ小林がバレンタインに反則勝ち、２本目は２分３秒、バレンタインがＳ小林を体固め、決勝の３本目は３分10秒、Ｓ小林がバレンタインを体固めに決めて２−１で坂口＆Ｓ小林組が勝ちましたが、坂口、Ｂライトは勝敗に絡まず。

猪木はセミファイナルでイワン・カラマゾフとシングルマッチ45分１本勝負で対戦、８分34秒、アバラ折り(コブラツイスト)でギブアップ勝ち。

コロフはセミ前に出場、永源遙とシングルマッチで対戦、４分22秒、カナディアン・バックブリーカーで難なくギブアップさせています。

１日の移動日を挟んでまた九州に戻り、11月27日は熊本市体育館(観衆3,200人発表)大会、この日セミファイナル45分１本勝負で坂口とコロフが初対決。コロフは67年９月、レッド・マックナティーとして１回、71年６月にコロフとして１回、日本プロレスに来ていますが、坂口はいずれも海外におり、シリーズに参加しておらず、コロフとは対戦なし。

注目の大型パワーファイター同士の初の対戦は９分56秒、両者リングアウトの引き分けに終わりました。

11月28日、久留米市福岡県立体育館(テレビ生中継、観衆3,800人超満員発表)大会、坂口の地元だけあり、超満員の観客が集まりました。

メインイベントでは猪木＆Ｓ小林のニュー・ゴールデンコンビが次週、12月４日大阪府立体育会館で猪木＆坂口組の北米タッグ王座に挑戦が決定しているコロフ＆バレンタイン組と対戦。

１本目は18分18秒、コロフがカナディアン・バックブリーカーでＳ小林からギブアップ勝ち、２本目は両チーム入り乱れての乱闘となり９分４秒に、試合権利のある猪木とバレンタインが両者リングアウトとなり２−１でコロフ＆バレンタイン組の勝利に終わりました。

猪木＆Ｓ小林組のニュー・ゴールデンコンビは６月５日、札幌での初タッグ結成以来、初黒星を喫しています。

セミファイナルは坂口とＢライトのシングルマッチ45分１本勝負、地元久留米の試合で張り切る坂口はゴングと同時にラッシュをかけて、アトミック・ドロップからジャンピング・ニーアタック、僅か２分37秒でＢライトを片エビ固めで初フォール。地元凱旋マッチを圧勝で飾りましたが、Ｂライトの覇気の無さが目立った試合となりました。