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2021年05月14日05:00

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読書日記Nо.1355(魅惑的なのは、全編が深い陰翳に富んでいるから)

■内田洋子「十二章のイタリア」2921年1月創元ライブラリ

このところ、春先に購入した、積読書を読んでいる。

書店店頭を、ざっと見て、手に取る本は、近年ハズレが少なくなったが、
考えてみれば、読書の蓄積が増えて、お気に入りの著者や作家が増えた
せいかもしれない。

前日記の中野京子さん、本日記の内田洋子さんは、読んで間違いがないと
思っていて、果たして、毎回堪能している。信用のようなものができて、
著者と読者の信頼関係ができている。

本日記のタイトルは、以下の帯の文言から採った。
本書は文庫なので、解説がついているが、なんとその解説を、現APU学長の
出口治明さんが書いている。

“本書が魅惑的なのは全編が深い陰翳に富んでいるからなのだ。
イタリアの本当の魅力が、この一冊にギュッと詰まっている。”

冒頭に、著者名で本を手に取ると書いたが、帯の推薦者が馴染みの人ならば
手に取ることも多いことを、付け足す。本書の場合はダブル。

さて、本書の惹句を紹介。

“イタリアとの往来四十余年、常にイタリアの今を切り取って見せてくれる著者の
半世紀ともいうべきエッセー集。”

“人と出会い、本と出会う。大学のイタリア語学科時代の辞書の話に始まり、
稀代の読書家・知の巨人エーコ氏との邂逅、山奥の本の行商人の村モンテレッジオ
の人々・・・。まるで短篇小説集を読むかのような魅惑の一冊。”

十二賞の目次もすべて紹介。

1.辞書
2.電話帳
3.レシピ集
4.絵本
5.写真週刊誌
6.巡回朗読
7.本屋のない村
8.自動車雑誌
9.貴重な一冊
10.四十年前の写真集
11.テゼオの船
12.本から本へ

エッセイでありながら、珠玉の短編集を読むかのような味わいが、著者の真骨頂
だと思っていて、本書も間違いがなかった。

内田洋子さんの本を読むのは、本書で4冊目。
前回は、昨年9月に「サルデーニャの蜜蜂」を読んで日記を書いていた。↓

https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1976923612&owner_id=5540901
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