川添愛「世にもあいまいなことばの秘密」2023年12月ちくまプリマー新書
2024年の新書大賞に、中公新書の「言語の本質」が選ばれて、新書等で一般読者むけの
言語学の本が少しブームになっているようです。
「言語の本質」は、読みましたが、私にとっては少し難解でした。↓
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1987174006&owner_id=5540901
そこで、お口直しの意味合いも込めて、中高生向けのちくまプリマー新書の言語学の本
を手に取って見ました。
表紙の絵に、巨大なキノコの被り物を被った先生らしき人物がいて、笑えますが、これは
あくまでキャッチで、内容は、もう少し真面目なものでした。
それでは、本書の惹句を紹介します。
”「この先生きのこるには」「大丈夫です」これら表現は、読み方次第で意味が違って
こないか。このような曖昧な言葉の特徴を知れば、余計な誤解もなくなるはず”
”「結構です」→YESNOどっち?
「それですね」→どれやねん
「この先生きのこるには」→先生!”
”こうして誤解は広がっていく”
”「冷房上げてください」「大丈夫です」。言葉には、読み方次第で意味が変わる
ものが多々あり、そのせいですれ違ったり、争ったりすることがある。曖昧さの
特徴を知り、言葉の不思議に迫ろう。”
目次もすべて紹介します。
1 「シャーク関口ギターソロ教室」――表記の曖昧さ
2 「OKです」「結構です」――辞書に載っている曖昧さ
3 「冷房を上げてください」――普通名詞の曖昧さ
4 「私には双子の妹がいます」――修飾語と名詞の関係
5 「政府の女性を応援する政策」――構造的な曖昧さ
6 「2日、5日、8日の午後が空いています」――やっかいな並列
7 「20歳未満ではありませんか」――否定文・疑問文の曖昧さ
8 「自分はそれですね」――代名詞の曖昧さ
9 「なるはやでお願いします」――言外の意味と不明確性
10 曖昧さとうまく付き合うために
この先生は、1973年うまれの言語学者で、AIの自然言語処理等がご専門です。人工知能
から考える人と言葉の問題等を研究されています。
つい最近、生成AIが、テキストだけでなく音声でも、人のように会話できるように
なったというニュースが流れました。
言葉って、何でしょうね。
人類の思考の源泉であり、専売特許でもあるはずの言葉の領域が、AIに侵されつつある
ような気がしています。
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