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2021年05月09日19:51

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読書日記Nо.1354(絵画を読み解き、人間を洞察し、読書を愛する)

■中野京子「そして、すべては迷宮へ」2021年3月文春文庫

本日の日記のタイトルは、本書の帯の文言をそのまま書き写したが、とても
素敵なフレーズですね。

さて、東京に発出されている緊急事態宣言も、5/12には解除されず、5末まで
延長されることが決まった。

風薫る、一年で最もいい季節が、昨年に引き続いて重苦しいものになったが、
人間界を離れて、自然に目を移すと、自然は粛々と季節の営みを続けていて、
新緑は、神々しいばかりなのに、改めて気づいたりする。

今回の緊急事態宣言も、大型商業施設の休業や、酒類の提供店は休業だという
ことはまぁわかるが、劇場や球場は、人数制限でOKだが、映画館や美術館が
NGだということの基準がよくわからない。

映画館は、宣言に入る前の4月に、一年半ぶりに入ったが、美術館には、もう
二年近く行っていない。

そんなストレスもあって、せめて紙上での美術鑑賞ができないかと、本書を
手に取った。

さてさて、本書の惹句を紹介。

“『怖い絵』や『名画の謎』シリーズで絵画鑑賞に新たな視点を提示して
きた著者は、芸術を、人を、どのように洞察するのか?”

“名画との衝撃的な邂逅や、一見穏やかに見える日常から掬い取る
おかしみと歓び−−。”

“「絵を買う人々」「夫たちの怖い秘密」「幸運の前髪」「異類婚の哀しみ」
等を収録した初のエッセー集が文庫オリジナルで登場!”

“日常は、虹とトラウマと歓びに満ちている!”

目次と小見出しを全部紹介。

■第一章 絵を見る 絵を読む
    「トレチャコフ美術館でのレーピンとの邂逅」
    「絵を買う人々」
    「ミレーの少女たち」
    「謎解きせずにいられない」
    「夫たちの怖い秘密」 ほか
■第二章 人を知る 人を見る
    「幸運の前髪」
    「消えた時間」 
    「異類婚の哀しみ」
    「翻訳不能」
    「アートの商売人」 ほか
■第三章 本を読む 本を書く
    「かけがえのない『この人生』」
    「恐怖の裏の切ない片恋」
    「『後半』にもチャンスはあるのだから」
    「阿修羅と美」
    「わたしの始まりの一冊」 ほか

中野京子さんの著書は、何冊か読んだが、泰西絵画の解説を書かせたら、
右に出るものがいないほど、読ませる文章を書かれる。

絵画エッセイで、一世風靡をされたが、本職はドイツ文学者なので、履歴を
知って納得した次第。

コロナ禍の中の暗雲に射す陽光のように、晴れ晴れと、本日も読書を堪能できた
ことに感謝、感激です(^^♪

・・・でも、早く、ふらっと美術館に行って、絵を心ゆくまで、鑑賞したい。
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