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2021年05月05日19:28

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読書日記Nо.1353(時代を撃つノンフィクション100)

■佐高信「時代を撃つノンフィクション100」2021年3月岩波新書

丸々一週間休んだ、2021年の私のゴールデンウイークも、本日で終了です。

コロナ禍の中のゴールデンウィークは、昨年に引き続いて2年目で、
旅行も帰省も、都心に出ることさえ自粛して、ひたすら我慢の日々でした。

日本も早く、英国や米国のように、ワクチンが普及して、普通の日々の
暮らしができるようになりたいですね。来年のGWがそうであってほしいと
心から願うばかりです。

さて、本書でした。

惹句を紹介します。

“ノンフィクションは、ひろく市民リテラシーを生み出すジャンルとして、戦後
日本社会に貢献してきた。”

“社会を見つめる眼を養い、いま私たちはどのような時代にいるのか、状況への
問いかけを発する精神を鍛えてくれる。”

“古典的名著から二〇一〇年代の作品まで、時代を撃ち続ける一〇〇冊を選
び抜いたブックガイド。”

著者である佐高信さんは、1945年生まれの社会派の評論家で、とにかく曲がった
ことが大嫌い。政治家に対しても、大企業経営者に対しても、歯に衣着せぬ物言い
でひととき、一世を風靡した方。

取り上げられた100冊全部紹介できませんが、私が名前を聞いたら、読んでなくても
大体内容が分かった、四分の一の25冊を紹介すると下記です。

1.永山則夫「無知の涙」1971年
3.三山喬「ホームレス歌人のいた冬」2011年
5.佐木隆三「復習するは我にあり1975年
6.鎌田慧「自動車絶望工場」1973年
11.國重惇史「住友銀行秘史」2016年
12.大下英二「電通の真相」2017年
16.服部正也「ルワンダ中央銀行総裁日記」1972年
21.宮崎学「突破者」1996年
25.高山文彦「麻原彰晃の誕生」2006年
30.斎藤貴男「カルト資本主義」1997年
33.森崎和江「からゆきさん」1976年
39.石牟礼道子「苦海浄土」1969年
46.魚住昭「渡辺恒雄 メディアと権力」2009年
50.樋田毅「記者襲撃」2018年
54.早野透「田中角栄」2012年
66.中村哲「医者 井戸を掘る」2001年
73.大江健三郎「ヒロシマ・ノート」1965年
79.西木正明「ルーズベルトの刺客」1991年
80.米原真理「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」2001年
81.高橋治「絢爛たる影絵」1985年
93.吉村昭「ポーツマスの旗」1979年
96.城山三郎「鼠」1966年
98.柳田邦男「マリコ」1980年
99.石川好「ストロベリーロード」1988年
100.中島岳志「中村屋のボース」2005年

著者は、あとがきの最後で、次のように言っています。

“いずれにせよ、あまり知られていないけれでもドキドキするような作品を選んだ
つもりである。それまで読者が社会や人間に対して抱いていたイメージを一新
させるような作品もあるだろう。”

“「真実をは虚構を通してのみ語られる」と言ったのは確か魯迅だが、大切なのは、
事実か小説かでもなく、小説の中のどこが実でどこが虚かでもない。どちらが、
よりタブーに迫っているかなのである。”

“タブーに挑戦した作品の少ない貧血気味の出版界に手袋を投げるような気持で、
私はこの本を読者に送る。”

最後の言葉は、わが身にグサッと刺さりました。
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