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2019年11月23日10:29

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GSOMIA延長 韓国政府と世論

 韓国政府が失効直前の土壇場で、GSOMIAの延長を決めた。これによって東アジアにおける日米韓の安全保障体制は、ひとまず保持されることになる。

 もっとも、韓国側がGSOMIA破棄を表明した背景には、日本の輸出規制があり、さらには徴用工、慰安婦問題など、歴史認識をめぐる見解の相違がある。これによって、ぎくしゃくしている日韓関係が正常化するわけではない。

 韓国政府がGSOMIA延長を決断した大きな要因は、米国政府による強い圧力があったと見ていい。北朝鮮の軍事行動や中国の東シナ海への侵出に神経をとがらせている米国にとって、安全保障にかんする日米間の情報共有が損なわれるのは、何としても避けたいところだった。米韓の交渉では、恫喝に近い姿勢を米国側がとっていたのは容易に想像できる。

 ただ、韓国世論は、失効直前になっても「やむを得ない」とする立場が多数を占めていた。世論の力は民主主義の前提だけれど、こと外交問題については強硬姿勢をとりやすい。これは韓国に限らず、どこの国にもみられることだ。
 例えば日本は、大正から昭和初期にかけてメディアが成長し、政党政治や男子普通選挙が進展していったけれど、党派対立が先鋭化し、対外的には強硬姿勢が強まった。戦前の日本は軍部が台頭したと説明されることが多いけれど、それを後押ししたのは他ならぬ世論である。
 また、アメリカも同時多発テロの直後は、穏健派もかなり強硬な意見を表明していた。それがイラク戦争まで至るプロセスの抑止力を失わしめたことは記憶に新しい。

 繰り返すように、世論の力は民主主義の前提であり、人びとによりよい社会を作ってもきた。けれどもそれは無条件に秩序の安定を担保しない。ポピュリズムもまた世論のかたちだとすれば、それらが私たちの暮らしに思いもかけない変化をもたらしていることも理解しやすい。

 今回、韓国政府が世論の動向とは異なる決定をしたことは、それだけ対外的な環境悪化に政権、具体的には外交や安全保障の専門家が危惧したからだといえる。ただ、政権が世論の後押しを求めていることも確かで、このあたりをどのように有権者に説明し、理解を得ていくのか。これも韓国にとっては難しい課題となる。

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■韓国、GSOMIA延長を日本側に通告 米の要請影響か
(朝日新聞デジタル - 11月22日 17:37)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=5874710
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