墓参り

　今日は昼間に時間ができたので、両親の墓参りに行ってきた。車で40分のところ、さすがに徒歩だと二時間以上かかりそうだったので、自転車で行く。郷里は快晴で、陽射しも強い。久々のロードバイクでスイスイと目的地まで向かうはずが、黄金色に輝く収穫前の小麦畑や、田植えをしたばかりの田園に目が行って寄り道ばかりしてしまう。旧街道の、かつて商店街だったところは、縁日だったのか、露店が出ていた。しかし子どもたちも学校に行っている時間だから、お客さんが誰もいない。

　お墓参りとはいえ、やったことは周辺の落ち葉をかき集め、雑草をとる…はずが一緒に苔が剥がれてしまうので、それは断念してお墓を水で洗って汚れをおとした。そこに小さなアマガエルがいて、水をかけてやるとそれが気持ちいいのかじっとそこに居続けていた。

　すぐそこに本家があるので、挨拶に出向く。古い家で、狸も棲みついている。そこでお抹茶と和菓子をご馳走になった。私が子どもの頃から、ずっと変わらぬ空間…ひょっとすると江戸時代からあまり大きく変わってはいないのかもしれない。ここには、父も空襲を逃れてしばらく疎開していた。生前の父は、ここに来るたびに当時のことを思い出していたのかもしれない。

　日暮れが近づいてきたのでお暇する。ところがお墓に携帯電話を忘れてきていて、たまたま通りがかった人が届けてくれた。本当にこういううっかりミスが多すぎる。帰りは急いだものの、家に着いたのは日がどっぷり暮れたあとだった。