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2018年11月18日00:00

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アルマ52章

01 さて、ニーファイの民の裁き司の統治第二十六年の一月一日の朝、見よ、レーマン人は目を覚まし、見よ、アマリキヤが彼の天幕の中で死んでいるのを発見した。また彼らは、テアンクムがその日彼らと戦う準備をしているのも見た。
02 レーマン人はこれを見て驚き恐れ、北方の地へ進軍する企てを捨てて、全軍がミュレクの町へ退き、砦にこもって守りを固めようとした。
03 そして、アマリキヤの兄弟が民を治める王に選ばれた。その王の名はアモロンという。このようにアマリキヤ王の兄弟であるアモロン王が選ばれ、アマリキヤ王に代わって治める事になった。
04 そしてアモロン王は、血を流して奪い取ったそれらの町を守り通すように民に命じた。彼らが多くの血を失わずに奪い取った町は一つとしてなかったからである。
05 さて、テアンクムは、レーマン人がこれまでに奪い取ったそれらの町と、手に入れたそれらの土地を守り通そうと決意しているのを知り、また彼らの人数が夥しいのを見て、砦にこもっている彼らを攻撃しようとするのは得策ではないと思った。
06 それでも彼は、戦う準備をしているかのように、兵を砦の近くに留めておいた。そして、実際はその間に方々に防壁を築き、身を隠す場所を用意して、レーマン人の来襲を防ぐ準備を進めていた。
07 そして、彼が戦いの準備を続けていると、やがてモロナイからテアンクムの軍隊を強化する大勢の兵が送られてきた。
08 また、モロナイからテアンクムに、彼の手に落ちた捕虜は全員そのまま捕らえておくようにとの命令も届いた。レーマン人も大勢を捕虜にしていたので、レーマン人に捕らえられている人々と交換する為に、レーマン人の捕虜を全員残しておく必要があったからである。
09 モロナイはまた、バウンティフルの地の防備を固めて北方の地に通じる地峡を守り、レーマン人がその地点に達して四方からニーファイ人を攻め悩ます力を持たないようにする事をテアンクムに命じた。
10 更にモロナイは彼に伝言を送り、忠実にその地域を守るように、またニーファイ人の手から奪い取られたそれらの町を、計略やその他の方法で再び取り返す事ができるかもしれないので、できる限りあらゆる機会を求めてその地域でレーマン人を苦しめ悩ますように、更に、レーマン人の手に落ちていない方々の町を防備を固めて強化するように求めた。
11 また、モロナイは彼に、「私は貴方の所に行きたいが、真にレーマン人が西の海に近い境の地で私達を攻めて来ており、真に、私は彼らに立ち向かっているので、貴方の所へは行けない」とも述べた。
12 さて、(アモロン)王はゼラヘムラの地を去って、王妃に自分の兄弟の死について知らせ、大勢の兵を集めて、西の海に近い境の地でニーファイ人と戦う為に軍隊を進めていた。
13 このようにして、彼はニーファイ人を休みなく攻めて、その地域にニーファイ人の軍の一部を引き寄せるようにした。その一方で、彼は以前に奪い取った町を守る為に残してきた者達にも、東の海に近い境の地でニーファイ人を休みなく攻め、兵力の及ぶ限りできるだけニーファイ人の地を占領するように命じておいた。
14 ニーファイの民の裁き司の統治第二十六年の終わりに、ニーファイ人はこのような危うい状況にあった。
15 しかし見よ、裁き司の統治第二十七年には、モロナイは南と西の境を守る軍隊の組織を終え、以前に失った町をテアンクムと彼の兵が取り返すのを助ける為に、バウンティフルの地へ軍隊を進めた。
16 さて、テアンクムは、ミュレクの町に攻撃を加えて、できればそこを取り返すようにという命令を受けていた。
17 そこでテアンクムは、ミュレクの町に攻撃を加える準備をし、軍隊を率いてレーマン人に攻めかかる準備を整えた。しかし、レーマン人が砦の中にいる間は打ち負かせない事を知ったので、その計画を断念し、バウンティフルの町に引き返してモロナイの到着を待ち、軍隊を増強する事にした。
18 そして、ニーファイの民の裁き司の統治第二十七年の末に、モロナイが軍隊を率いてバウンティフルの地に到着した。
19 また、第二十八年の初めに、モロナイとテアンクムと多くの連隊長達が作戦会議を開き、レーマン人を外に出して戦わせるにはどうすればよいか、また何らかの方法で彼らを砦から誘い出し、彼らより優位に立って再びミュレクの町を取り返すにはどうすればよいかを協議した。
20 そして彼らは、ミュレクの町を守っているレーマン人の軍隊に、即ちヤコブという名の彼らの指揮官に使者を送り、軍隊を率いて出て来て二つの町の間の平原で戦いを交えるように求めた。しかし見よ、ゾーラム人であったヤコブは、軍隊を率いて出て来て平原で戦いを交えようとはしなかった。
21 そこでモロナイは、対等の条件で彼らと戦いを交える望みを失った為、策を用いてレーマン人を砦から誘い出す事にした。
22 彼はテアンクムに少数の兵を連れて海岸の近くを下って行かせた。また、モロナイと彼の軍隊は夜に紛れてミュレクの町の西方の荒れ野に進軍した。するとその翌朝、レーマン人の見張りの兵達がテアンクムを見つけ、走って行って、その事を自分達の指揮官であるヤコブに知らせた。
23 そして、レーマン人の軍隊は、テアンクムの兵の数が少なかったので自分達の手勢で打ち負かせると思い、テアンクムに向かって進んで行った。そこでテアンクムは、レーマン人の軍隊が自分に向かって出て来たのを見て、海岸の近くを北方に退却し始めた。
24 さて、レーマン人は、彼が逃げ出したのを見て勇み立ち、勢いよく彼らを追った。また、テアンクムが無駄な追跡をして来るレーマン人をこのように誘い出している間に、見よ、モロナイは自分が率いていた軍の一部に、町に入ってそこを占領するように命じた。
25 そこで彼らは、町に入ってそこを占領し、町を守る為に残っていた全ての者、即ち武器を引き渡そうとしない全ての者を殺した。
26 このようにしてモロナイは、自分の軍の一部をもってミュレクの町を手に入れると共に、自分はテアンクムの追跡から戻って来るレーマン人と戦いを交える為に、残りの兵を率いて進軍した。
27 さて、レーマン人はテアンクムを追跡し、遂にバウンティフルの町の近くまでやって来た。そして、彼らはそこで、バウンティフルの町を守る為に残っていたリーハイと少数の軍隊に出会った。
28 さて見よ、レーマン人の連隊長達は、リーハイが彼の軍隊を率いて向かって来るのを見た時、自分達がミュレクの町に帰り着く前にリーハイに追いつかれるのではないかと大慌てで逃げ出した。彼らは行軍の為に疲れているのに、リーハイの兵達は元気であったからである。
29 さて、この時レーマン人は、モロナイが彼の軍隊を率いて彼らの後方に迫っていたのを知らず、ただリーハイとその兵だけを恐れていた。
30 ところでリーハイは、モロナイとその軍隊に出会うまで、彼らに追いつこうとしなかった。
31 そしてレーマン人は、遠くへ退く前にニーファイ人に取り囲まれてしまった。一方にはモロナイの兵、もう一方にはリーハイの兵がいて、どちらも皆、元気で力に満ち溢れていた。それに引き替え、レーマン人は長い行軍で疲れ切っていた。
32 そこで、モロナイは兵に、彼らが武器を引き渡すまで攻撃を続けるように命じた。
33 さて、レーマン人の指揮官ヤコブはゾーラム人であり、不屈の精神を持っていたので、レーマン人を率いてモロナイに向かって猛烈な戦いを仕掛けてきた。
34 モロナイがレーマン人の行く手を遮っていたので、ヤコブはモロナイの兵を殺し、道を切り開いてミュレクの町へ帰ろうと決意したのであった。しかし見よ、モロナイとその兵の方が強く、レーマン人に道を譲らなかった。
35 そして彼らは、どちらも非常に激しく戦った。そして、双方ともに多くの者が殺され、モロナイは負傷し、ヤコブは死んだ。
36 また、リーハイが屈強な兵を率いて激しくレーマン人の後方を攻め立てたので、後方のレーマン人は武器を引き渡した。また残りの者達も酷くうろたえ、どこへ行けばよいのか、どこを攻めればよいのか分からない有様であった。
37 それでモロナイは、彼らがうろたえているのを見て、「もし武器を持って進み出て、それを引き渡すならば、おまえ達の血を流すのをやめよう」と彼らに告げた。
38 さて、レーマン人がこの言葉を聞くと、まだ殺されていないその連隊長達は皆進み出て、武器をモロナイの足元に投げ出し、兵達にも同じようにする事を命じた。
39 しかし見よ、そうする事を望まない者も多かった。そこで、剣を引き渡そうとしない者達は捕らえられて縛られ、武器を取り上げられた。そして、彼らの仲間と共にバウンティフルの地へ引っ立てられて行った。
40 捕らえられた捕虜の人数は、殺された者の数よりも、真に両軍の殺された者の数よりも多かった。
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