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2017年04月27日07:24

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vol.31 各社出揃った決算発表分析に見る実力差(Food104メルマガ転載)

最近メルマガの執筆が〆切りギリギリでバタバタしている。
先週の内容を転載します。昨日発行されたvol.32はちょっと過激に書いてみました。
来週もお楽しみに。

『vol.31 各社出揃った決算発表分析に見る実力差』

 前回は筆者が大阪で単身赴任中である事もあり、セブンイレブン
の西の方でのエリア対応商品の出し巻卵などを紹介しました。
ひとつ大事なエリア対応商品を紹介し忘れていました。味付けのり
おにぎりです。東日本ではお目にかかることができません。
関西人は出し巻卵は甘いのは苦手なのに、海苔は甘い味付けのり
が大好きです。食品技術の進歩は見事なもので、コンビニおにぎり
に使われる味付けのりは、何とご飯側の内側だけにタレがついて
外側はベタベタしない業務用の味付け海苔なのです。こちらも
ご興味ある方は西の方へ行かれた時にご賞味ください。

http://yahoo.jp/box/36BCcc

 さて、4月に入りコンビニ業界にとって重要なニュースが相次いで
います。

・ローソン玉塚会長5月末に退任
・セブンイレブン ロイヤリティーを1%減
・セブン&アイ 米コンビニ約1100店舗を3650億円で買収
・セブン、団地「守る」コンビニ100店。UR系と提携。電球交換なども
・2025年まで全コンビニに無人レジ。大手5社ICタグで流通効率化

 中でも最も業界に衝撃を与えたのがセブンのロイヤリティー1%減の
ニュースだと思いますが、かなり込み入った話なので、また回をあらためて
解説したいと思います。

 上記のニュースすべて、「店舗飽和」、「人手不足」、「売上頭打ち」
に起因しています。コンビニの一時代を築いてきた経営者の、鈴木氏、
新浪氏、中山氏、上田氏に続いて玉塚氏も業界を去ります。うがった
見方をすれば、コンビニビジネスにもはや将来性は無いと悟り、斜陽に
なる前のタイミングで逃げ出したのではと筆者は感じています。団地内
への出店計画表明も出せる所ならどこでもという台所事情を反映しています。
市街地、住宅地は既に店舗飽和状態。各チェーンはエキナカ、病院、大学、
高速道路サービスエリアなどコンビニ空白地帯を求めている状況です。

 また3月の各社店舗数状況は以下の通りです。( )内は前月比

セブン19,423(+1)、ファミマ12,280(+191)、ローソン(▲1)、
サークルKサンクス4,877(▲253)、ミニストップ2,266(+3)、
ポプラ467(▲5)、スリーエフ438(±0)、7強計52,861(▲64)
と看板替え進むファミマ以外は明らかに伸び悩んでいます。

 以前、執筆をお約束したコンビニ各社の2016年2月期の決算発表が
先週出揃いましたので紹介いたします。

左より売上、営業利益、経常利益、当期純利益の前期比です。

セブン&アイホールディングス
 ▲3.5%、+3.5%、+4.1%、▲39.9%
ユニーファミマホールディングス
 +109,3%、+15.0%、+14.4%、▲9.8%
ローソン
 +8.2%、+1.7%、+4.9%、+16.0%
ミニストップ
 ▲7.8%、▲52.2%、▲37.5%、▲77.8%
ポプラ
 ▲14.2%、営業赤字、経常赤字、+380%
スリーエフ
 ▲13.9%、営業赤字、経常赤字、当期純損失

 各社各様の決算発表ですが、セブンアイはコンビニや金融は好調も
通販・百貨店・円高で海外減益などが足を引っ張りました。
ローソンも増益ですがコンビニ事業は伸び悩み、海外事業もいまだ
全ての国で赤字です。買収した成城石井は絶好調で貢献はしています。
ユニーファミマは合併で売上は大幅増ですが、合併にともなう経費で
当期純利益は減益。ミニストップ以下はかなり苦しんでいます。

 次の図もご覧ください。筆者がよく用いる3指標をひとつのグラフ
で分かりやすくプロットした図です。右に行けば効率よく稼ぎ、
上に行けば大きく稼ぎ、バブルサイズは商売全体の規模を表します。
 全店とある大きな円はフランチャイズ加盟店の売上も含むデータ
ですが、決算発表上はFC店売上を含まない直営店売上+加盟店から
のロイヤリティー収入や、連結子会社の合算です。やはりここでも
右上に位置するセブンイレブンの強さが際立ちます。また合併で
ローソンを抜いたファミマですが利益率の低さが課題です。3番手
に落ちたローソンは三菱商事による子会社化でどこまで盛り返す
かが注目されます。

http://yahoo.jp/box/MKqXt2

4月17日時点筆者体重 67.8kg、前回比-0.2kg
大阪単身赴任中も早朝ジョギング頑張るも、酒の席も多く平行線・・・

【筆者プロフィール】

矢部 忠継

 昭和47年(1972年)横浜生まれ。京都大学文学部卒業後、リゾー
トホテルチェーン、ファミリーレストランチェーン、外資系会員制
食品卸、コンビニチェーン本部を渡り歩く。原料調達、商品開発、
マーケティング、市場分析等を担当。
 現職はマーケティングリサーチカンパニーにおいて小売・卸・
外食のデータ分析、セミナー講師、レポート執筆を行う。
 趣味は43歳にして免許を取ったバイク、バドミントン、ゴルフと
料理。東京都江東区在住。愛車はボルボV70、ホンダホーネット、
ヤマハシグナスX SR。

※当コンビニレポートコーナー内で述べられているコメントについ
ては、各種データ、筆者の知見に基づき作成されていますが、その
全てが正確性、確実性を保証するものではありませんのでご了承
下さい。
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