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2017年03月31日09:03

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コンビニと取引する上で覚悟すべき経費の数々(Food104メルマガ転載)

 引き続き大阪での研修が延長しておりますが、メルマガは頑張って書いています。
今回ある意味業界の悪習の暴露のようなものです。ただ、ある特定の所に儲けが集中しそこに人が群がる構造は正当な経済活動とも言えますが、そういうのは大嫌いなのであえて書きました。

『vol.29 コンビニと取引する上で覚悟すべき経費の数々』

 前回は、なかなか一般の方にはうかがい知る事のできない、
コンビニの新商品展示会についてご紹介しました。さてvol.26
でも紹介した日本フランチャイズチェーン協会より先週、
2017年2月のコンビニ9社計(詳細はvol.26参照)の業績が
発表されました。店舗数は54,922店と前月より400店以上も増と
相変わらず拡大基調です。55,000店を超えたら当コーナーの、
導入文の文言も変える予定です。売上高前年同月比は、全店計
が100.2%、既存店が98.3%と5ヶ月ぶりの前年割れでした。
厳しい数値ですが、ただ前年はうるう年でしたので1日少ない
影響は単純計算で約3.4%ポイントの押し下げ効果があるので、
そこは差し引いて考えるとまずまずの健闘ではないでしょうか。
既存店売上では104.4%のスリーエフがセブンの102.6%を上回り
トップです。近年、店舗によっては八百屋とみまがうほど、
店頭に生鮮野菜を並べ拡販るる、スリーエフ店舗が増えている
のが、野菜高騰の昨今追い風になっているのかもしれません。

 さて今回のテーマは前回も少し触れた、メーカーがコンビニ
と取引するにあたって発生する様々なエクストラな経費の数々
を紹介してみたいと思います。スーパーマーケットやドラッグ
ストアでは大半の商品が、卸売り業者がメーカーとの間に入り、
取引されますが、筆者の経験では定量的なデータがあるわけ
ではありませんが、コンビニの場合他業態に比べ、卸を介さない
メーカーとの直接取引が多いように思います(もちろん一番多い
のは卸経由ですが)。メーカー直接取引の場合、中間流通コスト
が省かれ、コンビニ、メーカーともにコストメリットもあるの
ですが、その分、商品登録作業、与信管理、メーカー自社物流
で運ぶなど面倒な仕事も増えます。卸とメーカー間にも様々な
手数料などのコストがあると想像されますが、それ以上に
一メーカーとコンビニが取引する上で発生する経費というのは
多岐にわたります。

 一般食品、加工食品、パッケージ品などと呼ばれるナショナル
ブランドで各社共通のJANコードが付与される商品などは、
どこから仕入れても品質は一緒なので、価格勝負になりがちで、
納入価格の他に、基本リベートや達成リベート、特売時の販促
条件やおまけやPOPの供給量などで差がつきます。あまり
好ましくはないですが、バイヤーへの接待攻勢も影響したりする
のは事実です。

 一方、筆者が原料調達や商品開発に携わってきた、オリジナル
中食と呼ばれる弁当やおにぎりなどに原材料を供給するメーカー
数は多い場合1商品につき数十社にものぼる場合があります。
価格一発勝負に近い一般食品と違い、その調達には品質と価格
バランスの見極めなど難しい面があるのに加えて、相場変動が
激しいものも多いので、一般食品のように計画的に定率の、
リベートを見込みにくいカテゴリーでもあります。ただ新商品の
改廃サイクルが一般食品とは比べ物にならないぐらい頻繁です
ので、そこを上手く利用した錬金術が存在します。

 前回の新商品展示会で紹介した加盟店オーナー向けの新商品
の無料試食用の、原材料費や試食用人件費の負担もありますし、
他には毎月きれいに製本され加盟店全店に配布される冊子があり
ます。この冊子に新商品が掲載される場合、それによって売上
も伸びるだろうという名目の元に、その商品に原料を供給する
メーカーには毎回○万円ぐらいの負担金が請求されます。
これは一般食品の場合も同じです(ただし収入は1社からのみ
で旨味は少ない)。

 さらに初めてコンビニ中食に原料供給する事になった新参
メーカーが目を丸くして驚くのが「ラインテスト費用」です。
北は北海道から南は沖縄まで全国各地で同一の品質の商品を日々
製造する為には、発売前のテスト製造が欠かせません。多い
チェーンでは50〜100ヶ所にものぼる工場(ベンダー)に100食分
ぐらいのラインテスト用原材料を手配しなければなりません。
その費用は本番の納入原価とは別に、各メーカー負担となります。
コンビニとの取引に慣れたメーカーなら、ラインテスト分まで
見こして本番の見積もりをするでしょうが、新参メーカーでは
いざ取引開始はしたが、実際は赤字だったなんてケースも
見られます。

 あと忘れてはならないのが、小売側もメーカー側にとっても
恐怖の「欠品」です。商品供給が追いつかず棚に穴があくと、
コンビニ側は躊躇なく、欠品メーカーに売上の損失補填を請求し
欠品規模によっては時に数千万〜億単位になるケースもあります。

 上記のようなコンビニ独特の経費に他に、各業態でも一般的な
センターフィーや新規商品登録費用、電算処理費用、創業○周年
記念や新店開店記念リベートなどは当然かかってきます。このよう
な小売側からの休む事を知らない「お金ちょうだい」攻撃に日々
メーカー営業マンは耐えていると思うと、頭が下がります。

3月27日時点筆者体重 67.6kg、前回比+0.2kg
1週間の大阪出張は美味いものの連続で大幅増が懸念されたが、
毎日食べ過ぎには気をつけ何とか微増にとどめて満足。

※当コンビニレポートコーナー内で述べられているコメントについ
ては、各種データ、筆者の知見に基づき作成されていますが、その
全てが正確性、確実性を保証するものではありませんのでご了承
下さい。
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