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2016年07月13日21:27

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読書日記Nо.930(不思議の国のアリス)

■ルイス・キャロル、河合祥一郎訳「不思議の国のアリス」2016年5月8刷角川文庫
■ルイス・キャロル、河合祥一郎訳「鏡の国のアリス」2016年5月13刷角川文庫

7/1に、「アリス・イン・ワンダーランド」が、日本で封切られたのと同期して、
書店に行くと、“大人気シリーズの原点”と銘打って、角川文庫のフェアを
開催している。

「不思議の国のアリス」は、なんとなくイメージがあるが、まだちゃんと読んだ
ことがなかったので、文庫で二冊読了。

あぁ、こんな物語だったのだと、改めて認識した。

例えば、チェシャーネコは、「不思議のアリス」のみに出てきて、ハンプティー・
ダンプティーは、「鏡の国のアリス」のみに出てくることなど。

また、「不思議の国のアリス」は、トランプの世界だったが、「鏡の国のアリス」
は、チェスの世界を表現していることなど。

著者のルイス・キャロルは、オックスフォード大学の数学の教師だったが、
なぜ、こんな物語を書いたのかなど。

イギリスで、なぜ、19世紀のこのファンタジーが、古典として、現代まで読み
継がれているかというと、マザー・グースや、シェイクスピアなどのイギリス文学の
正統な流れを、きちんと踏襲しているからなんですね。

訳者の河合祥一郎さんは、実は以前、「謎解きシェイクスピア」という本を
読んで馴染みのシェイクスピア学者。

2冊の本書は、平成22年に新訳として発行されたものです。

「不思議の国のアリス」の方の、惹句を紹介しますね。

“ある昼下り、アリスが土手で遊んでいるとチョッキを着た白ウサギが時計を取り
だしながら、急ぎ足で通り杉、生垣の下の穴にぴょんと飛び込みました。”

“アリスも続いて飛び込むと、そこは・・・・。チェシャーネコ、三日月ウサギ、帽子屋、
ハートの女王など、一癖もふたくせもあるキャラクターちあが繰り広げる夢と幻想
の国”

“ユーモア溢れる世界児童文学の傑作を、原文の言葉あそびの楽しさそのままに
翻訳した、画期的新訳決定版。”

訳者の河合祥一郎さんは、次のように語っています。

“英語には、「意味」のほかに「ライム」(韻)があり、キャロルにとっては、言葉の
響きがとても重要でした。この翻訳では、そうしたキャロルの思いをイカシテ、
英語の響きのおもしろさを、できるかぎり日本語で表現するように努めました。”

“ちょうどシェイクスピアが言葉遊びやライムやリズムなどを使って劇的世界を
形成したように、キャロルの世界でも、言葉の字義的な意味のみならず、音
の響きが大きな意味を持っています。”

“アリスの物語は原書を読まないと楽しめないと言われてきましたが、その
面白さを、日本語で味わっていただけるように努めました”

映画の「アリス・イン・ワンダーランド」は、原作の意をくんだ、換骨脱退の物語
で、映画を観て、本書を読んだら、ひょっとしたら、期待ハズレかもしれない。

でも、私は、こんな機会がないと、翻訳とはいえ、本書を読めなかったので、
その意味では、映画の公開に、感謝しきりです♪
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