■マイケル・ピュエット・クリスティーン・グロス=ロー、熊谷淳子訳
「ハーバードの人生が変わる東洋哲学」2016年5月早川書房刊
副題が、本日記のタイトルの“悩めるエリートを熱狂させた超人気講義”。
書店にいくと、「ハーバードの○○」というビジネス書が、よく並んでいる。
普段ならスルーするが、本書は、東洋哲学、すなわち中国古代哲学、
諸子百家の講義だというので、どれどれと、手に取った。
諸子百家といえば、孔子・孟子・老子・荘子・荀子・墨子など、日本人に
とっては馴染みがあり、私めも、ちと馴染んでいる。
アメリカのエリートたちは、中国古代哲学に、救いを求めるほど病んで
いるのかと、興味が湧いた。
今や、ハーバード大学では、経済学入門や、コンピュータサイエンスに
次いで、学内三番目の人気講義が、孔子や孟子や老子など中国古代
哲学の講義だという。
一時、日本でも流行った、「ハーバード白熱教室」のはるか上とのこと。
それでは、早速、惹句を紹介しますね。
“「この講義が終わるまでに、きみの人生は必ず変わる」”
“そう約束するピュエット教授の授業が、ハーバードで絶大な人気を誇る
のはなぜか?現代にあてはめた孔子や孟子、老子らの教えに、いま学生
たちが熱狂しているわけとは?”
“●自分探しをするな
●“ありのままの自分"などどこにもいない
●強くなりたいなら徹底的に弱くなれ
●自然を賛美しすぎるな
●がんばっても報われるとはかぎらない
●“ポジティブ"がよいとはかぎらない”
“ピュエット教授による東洋哲学の新解釈で、今までの常識が覆る! ”
江戸時代から、諸子百家のDNAがある、日本人の私としては、ちょっと
羊頭狗肉の感がありました。
平板で、ちっともワクワク感も、ドキドキ感もなかった。
ちょっと、目次と小見出しの抜粋も紹介しましょうか。
3章:毎日少しずつ自分を変える―孔子と「礼」「仁」
・感情をむき出しにしない
・「愛してる」も儀礼
4章:心を耕して決断力を高める―孟子と「命」
・勤勉が報われるとはかぎらない
・理性でも感情でもなく、「心」で決断する
5章:強くなるために弱くなる
・横柄な上司がいたらどうするか
・本当に強い人は誰か
7章:「自分中心」から脱却する―荘子と「物化」
・「道」に従わないのは人間だけ
・自分を邪魔する理性から自由になる
8章:「あるがまま」がよいとはかぎらない―荀子と「ことわり」
・素のままの自分を出してはいけない
・自然崇拝は有害だ
小見出しのセンスが、ちょっとなぁですよね。
そんなに世俗化してどうするかと。(ちょっと上から目線ですよね・・・汗)
アメリカのエリートたちは、中国古代哲学に救いを求めなければ
ならないほど病んでいるのかと、ちと戦慄を感じてしまった。
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