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2015年02月19日21:41

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読書日記No.800(祝、800回。復路の哲学)

■平川克美「復路の哲学」2014年夜間飛行刊

副題は、“されど、語るに足る人生”。

2006年7月に開始した、この読書日記。8年8ヶ月で、800回を迎える
ことができました。

これもひとえに、読んでコメントやイイネ!を返してくださる、マイミクの
皆さんあってのことだと、深く感謝しております。

拙い文章でも、読んでくださる人がいると、励みになるのですね。

いつ、どんな読書日記を書いたのか、excelで整理してみようと、昨年
思い立ちましたが、まだ200回目くらいで、滞っています。(汗)

さてさて、本書でした。

著者の平川克美さんを知ったのは、馴染みになっていた内田樹さんの
マブダチだったからですが、この読書日記でも、もう数冊取り上げています。

内田樹さんより、地味ですが、紡がれる言葉が、内田さんより身体性に
根ざしているので、五臓六腑に染み渡る文章を書かれる方です。

“自分の行く末が、地図のようにはっきりと見えてしまうという絶望を噛み
締めたとき、人生の復路が始まる”

そんな言葉に引き寄せられるように、ついつい手にとってしまいましたが、
今の私の心の状態が、共振したのかもしれません。

昨年10月に還暦を迎えまして、正直な気持ちは、白線を跨いでしまったな
ということです。

なんだか、風景の色が違うのです。

本書の惹句を紹介しますね。

“日本人よ、品性についての話をしようじゃないか。”

“成熟するとは、若者とはまったく異なる価値観を獲得するということである。
政治家、論客、タレント……「大人になれない大人」があふれる日本において、
成熟した「人生の復路」を歩むために。日本人必読の一冊! !”

“*内田樹氏、絶賛! *”

“ある年齢を過ぎると、男は「自慢話」を語るものと、「遺言」を語るものに分かれる。
今の平川君の言葉はどれも後続世代への「遺言」である。噓も衒いもない。 ”

心に沁みた文章も引用。

“ある年齢を過ぎると、生きている間に読める本の数が見えてきてしまう。
意識の中に、「読むべき本の箱」と「読まなくてもいい本の箱」があって、
本を手にとった瞬間に、そのどちらかに振り分けるようになる。”

“同じものを見ていても、境界を知る身体が見る光景は、かたちも色も以前とは
違ってくる。この境界、つまりは身体の有限性こそが、人間に倫理とか、規矩という
ものを与えているものの源流なのだろう。”

“人が、真に倫理的になるためには、身体の有限性とは何かを、当の身体が
知る必要がある。大人になるとは、そういうことなのかと思う。”

この読書日記も、1000回を目指したいなと、ぼんやりと思っています。

ご声援、よろしくお願いいたします♪(感謝)

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