僕は
と僕が言ってるあいだに
僕は過去に落ちて
今にいる僕と
過去に落ちていく僕は別人になる
僕は
過去に落ちていく僕を
僕より若い僕を見送りながら
また細胞が死んだ一秒を数えて
僕から産み出された
新しくて少し年老いた僕の頭が
可笑しなことを考えている
落ちていく僕たちの影は
先頭の僕がとけていくように見えて
今の僕から一番下の僕までが全てつながって僕の卵に命が吹き込まれた時を尻尾としてとても長い僕という生き物がゆらゆらと時間と空間の座標の中で蛇のように揺れている
僕が
先頭の僕が消えると
蛇になった僕はどうなるんだろう
もう年老いていかない僕の先頭が決まってその僕が頭になって蛇は見えなくなるまで落ちていく
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