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2014年07月14日13:53

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詩『貝殻の風景』


こんなことなら、あの小説の内容をちゃんと覚えておくんだった。

雪で目の前が白いのか、意識が遠のいているのか、それさえハッキリしなくなっている。

小説『自殺のすすめ』をコタツに置き去りにしているのを見た父があわてていた事を思い出す。
雪に埋もれて死ねば、うまくいけば、春の雪どけに現れた顔は美しいと書いてあった。
さて、それがいつ見つかれば、の話だったか。
発見者の驚く顔を見られる訳でもないのだが。

もう、開くことのない貝殻の壁に囲まれているということがハッキリ分かる。
私の体はどこに消えたのか。
耳の穴から、あるいは、貝殻から直接?かすかに暴風のうねりが聞こえる。

綾子、なのか?
君がそばにいるのか?
それとも記憶?

君の声が私を呼ぶ。
君の笑顔が見える。
君のぬくもりを、、、

私は君に抱かれながら消えていくとしよう。

私ばかり幸せで

幸せで









※一部に、渡辺淳一著『自殺のすすめ』の内容を参考にしています。
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