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2014年07月13日12:23

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詩『夜の中で』


今、まくらの上にいる僕が、おじいちゃんになって、お父さんが言った「何もない」になる。

夜の黒い空気に引っぱられて、僕がうすくなって、僕が僕じゃなくなって、夜の中に見えなくなって、せまいカンオケといっしょに燃やされて、骨だけになってしまった僕をうっすらと見ながら、いや、何も見えない。夜になった僕は何も感じない。誰にも見えない。ゆうれいにもならない。お父さんもお母さんもいない。まっ黒でも、まっ白でもない。何もない、何もない、何もない、何もない、







君のお父さんが死んでしまった。

君のお爺ちゃんが死んでしまった日、君は夜の中で水浸しになって溺れていたね。
死んだら誰にも会えないけど、夢を見ない夜はすぐに明けるから。

僕が僕の中で君を撫でていてあげる。

君のお父さんは神様になってくれたから、時を越えて、君や兄弟やお母さん、そして今の僕たちのそばにいてくれているよ。




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