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2014年06月25日13:29

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即興詩『走れ!寝坊助』


黒い霧が晴れると
激しいのどの渇きに気づく
連なる衝撃をベースに
通学路が揺れる
安物のスニーカーは脳に響く
学生帽に埋まったタクシーが追い越していく
ブルジョアか?
建物までの距離は
1:1:√2 (合ってるのか?)
ひとよひとよにひとみごろ
何で2を走らないといけない!
線路は邪魔だ!
ヤッパリ自転車で来るべきだった
人影はない
孤独のメロスはあさはかな俺
布団の中で授業を受けられる未来が恋しい
時計が冷ややかに俺を応援している
しまった!
−−タイッカンシューズ
地球の果てまで間抜けな俺は
獄門の上、晒し首に等しい
轟轟と音をたてる線路下を
躊躇なくくぐって目指すど真ん中へ
競技場までの直線を全力の一歩手前
田んぼのイネは、またかと手をふっている
閉ざされた裏門からの距離は
1:1:√2 (ほんとに合ってるのか?)
何でここも過ぎ去らなければならぬ!
正門を抜けて最終直線
スピーカーは俺を待っていてくれるのか
ああ!
−−タイッカンシューズ
ピロティを抜けると心臓やぶりの階段を
一つ飛ばしでかけ上がる
給水機を睨みつけ
てれ〜んぱれ〜んと歩く先生発見!
スピーカーの歓声が俺を包む
おはようございます!で
てれ〜んぱれ〜んをやり過ごし
教室のドアを開けると、
「起きなさい、遅刻するよ」
と母の声
地獄のランニングは今から始まるのだ



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