頭蓋骨の真ん中でひとり男は次の演奏のためすべての扉を閉ざした観客席に人影はなく非常口の表示灯も消えてただ一本のスポットだけが下りている真後ろに伸びる影にギターの影がクロスする耳に降っていた激しい雨は深い記憶の椅子におさまった鐘が遠く秩序の地
『体−髪』14/06/10貴女の黒髪がレコード盤の溝のように揃っているさまを見るとギターをひく私の爪がレコード針になって貴女を奏でながら頭から毛先までをなぞっていく−−頭から毛先までをなぞっていく−−頭から毛先までをなぞっていく−−頭から毛先までを
猿だった俺は申年だから猿でよかったしかしいつの間にか蛸になろうとしているタコ年などというものはないならば覚悟を決めていやあ、タコ年ですからと、言い張るのだ 間違ってもウーパールーパーをバーコードにして売ってはならないあくまで タコ年なのだから