mixiユーザー(id:60260068)

2014年06月21日17:02

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詩『空振り』


鼻先の空に点が動いている
ちいさな虫は
アブラに濡れた地に降り立つ
しばらくして
遠く地平線のむこうを昇ってくる掌が左目で捉えられる
しかし、未だにアブラを舐めている

未来は確定していない
掌は逸れてふたたび地平線へと消え去るかもしれない
それでも爆風にはあおられるだろう

否、考えていない

行き当たりばったりが
ちいさな虫という種全体としての
生きるすべを弾き出す記憶となって、
掌が地平線を切った今、
ちいさな虫は鼻を飛び立ち
点は幾つもの点にまぎれた



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