mixiユーザー(id:3341406)

2013年03月09日17:39

130 view

桂枝雀 落語『くしゃみ講釈』『鷺とり』

浜松市下の図書館のオンライン検索で見つけた、<枝雀落語大全>DVD全40巻。
前回はCDでの鑑賞だった為、桂枝雀の良さが伝わり切らない思いに少し残念だった。
早速借り出したのは、第2巻である。演目は、『くしゃみ講釈』と『鷺とり』。

『くしゃみ講釈』…ABCホール「枝雀寄席」公演ライブ、1979(昭和54)年11/25に放送されたもの。

講釈師に恨みを持った男が、それを晴らしてやろうと、仲間にその方法を相談する。
この男、実に物忘れの激しい奴で、仲間から教えてもらった手口から、その材料である胡椒粉を八百屋に買いに行こうとするのだが、何を、幾ら程、何処で買う、それらを次々に忘れてしまう。
しようがないので、仲間は彼に歌を教え、歌を歌えば、その中に買う物と語呂が同じ言葉が出てくるから、思い出すよすがになるだろうと。
この男の物憶えの悪さから起きる、八百屋店主との噛み合わない会話の面白さが、この落語の前半の妙。

講釈師というのは、歴史物等、物語を読むのが仕事で、落とし噺ではない。したがって、至極真面目な顔で緊張して演じる訳だが、彼の演じている時に、下から胡椒粉を火鉢でいぶし、くしゃみをさせてやろう、くしゃみで話ができなくなったところで大いに悪口雑言を言って、メンツを潰してやろう、そんな魂胆だ。

結局胡椒粉は八百屋になく、代わりに買ってきた唐辛子粉をいぶしてやると、これが次第に効を奏しだす。
立派な講釈をしている内に、くしゃみをしたくなってくる講釈師。
この変化の現れる様子が、枝雀の顔の芸で、誠に可笑しい。
ついには1つ、それでも我慢して講釈を続けると、次には2つ続け様に出る。
すましていた講釈師、話しもシドロモドロとなり、くしゃみの大連発。
微妙な顔の芸から、遂には全身でのアクションに到る。
こうした次々と畳み掛ける話術、そのリズムの良さは、枝雀、天下一品である。

枝雀をご存知の方なら大体想像もついて、それだけで口が緩むかもしれないが、ともかく、画像あってこそ2倍3倍の面白さである。
久し振りの大笑いで、涙が零れた。


『鷺とり』は、ABCホール「枝雀寄席」公演ライブ、1983(昭和58)年1/30に放送されたもの。
 
0 2

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2013年03月>
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31