呉 勝浩 (著)
東京中野区野方警察署に一人の男が連行された。
容疑は、泥酔して出かけた酒屋での器物損壊と店員への暴行。
「スズキタゴサク」と名乗ったその冴えない中年男は、自分には霊感があり未来を予知できると嘯く。
その後予知通り、都内で次々と爆破事件が発生。
本当にこいつが連続爆弾犯なのかッ!?
取り調べに当たった刑事たちは、スズキに巣食う狂気と相対することになる。
何と申しましょうか、、、
感情を引っ掛けようとするフックがでか過ぎ。
読者の感情を誘引してやろうという意図が見え過ぎる。
憤怒・憎悪・憐憫・諦観・興奮・冷静・好奇心・忌避、、、あらゆる感情が想起させらますが、その全てが中途半端。
鶴久係長の言を借りるならば、七十五点の盛り上がり。
全ては「スズキタゴサク」です、全部コイツの所為。
動機ですよねやっぱ、読者が一番知りたいのは。
貧困に喘ぎ、差別に苦しみ、暴力に痛めつけられ、さぞかし社会から苛烈な仕打ちを受け続けてきたんだろうと。
そんな社会に対する復讐、積もりに積もった憎悪を文字通り爆発させたんだろうなと。
だって、あの規模の爆破事件だぜ、並みの動機付けじゃ納得できません。
凄まじいエネルギーの放出を覚悟して、対ショック姿勢で読み進めるも、、、
う〜〜ん、何と申しましょうか、、、
えッ!?続編あんの?裁判編?
法廷で「スズキタゴサク」の真意が明らかになると、、、
違う違う、ここはエピソードZEROでしょ、逆です前々、野方警察署に連行される前が読みたいっつーのッ!!
最後まで信じていた〇〇〇の裏切りが動機?
これだけじゃ弱過ぎます。
この程度の動機ならば、爆破事件を計画し遂行したその知力と行動力で、普通に人生やり直した方が遥かに合理的。
何もかも諦めた腑抜けた廃人か、それとも混沌だけが目的の狂人か。
冗談じゃない、スズキは決してJOKERではありません。
必ず心の奥底に生身の人間の感情が煮えくり返ってるはず。
読中ヤツの中に、一片の人間性を読み取った読者も多いのでは?
口惜しい哉、絶妙に『法廷占拠 爆弾2』へ誘導されてますね。
あんだけブチ上げた“命の選別”問題も放置プレイですし。
あーあ、最初っから呉先生の掌の上ってことね。
映画版は佐藤二朗さんだとか、読み始めてからそれ聞いちゃって。
ドンピシャ過ぎでしょ、イメージ完全固着、俺の自由な想像返して(哀)
じゃあ最後に一つだけ。
ハセコーの秘密、もうちょっとどうにかなりませんでしたか呉先生?
スズキ vs. 清宮、まんま『ダークナイト』
★★★☆☆
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