門井 慶喜 (著)
「文禄・慶長の役」ですね。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%87%E7%A6%84%E3%83%BB%E6%85%B6%E9%95%B7%E3%81%AE%E5%BD%B9
今回は前線ではなく、秀吉の視点から。
なぜ秀吉は、無謀な外征を強行したのか?
豊臣家滅亡の遠因でもあり、何も得るものがなく失敗した「朝鮮出兵」は、秀吉最大の愚挙として今日伝えられています。
秀吉の人生を振り返ったとき、誰しもが抱く疑問。
そう、まさに「なぜ秀吉は」なのです。
作中、徳川家康や神屋宗湛、その他様々な人物が秀吉の心中を推し量ります。
そしてクライマックスでは、当の秀吉本人の口からハッキリと明言されるわけで。
門井先生、皆さんの想像にお任せしますというような安易な逃げを採らず、読者との正々堂々真っ向勝負を挑んできます。
その心意気やよしッ!!
今作を手に取るのは俺も含めて、戦国に一家言ある者が殆どでしょう。
予め秀吉や朝鮮出兵にある程度の知識を有していて、自分なりの解釈もあるという層。
そこに、ド真ん中の直球ストレートをブチ込んでくるとは、、、逆にビックリ。
ヒネリなしサプライズなし意外性なし、超本命の正論展開。
血の付いた包丁持ってた奴が犯人でしたみたいな。
えッ!?トリックは?どんでん返しは?
今作はミステリに非ず、歴史小説也。
そりゃそうだ、登場人物たちのミスリードについうっかり引っ張られてしまいました。
しかしあの理由となると、大いに納得ながらもジワジワと恐ろしさが込み上げてきます。
たった一人の独裁者の気まぐれが、数多の人間の人生を狂わせる。
これ程の理不尽がありましょうか。
しかし古今東西、歴史においては極々ありふれた事象。
秀吉が出兵理由を打ち明けたとき、あの場にいた家康と三成の気持ちにシンクロ率100%
欲望とは何か。
今をより良くするための糧であると同時に、未来を押し殺す毒でもある。
上に立つ人間が自らの欲望とどう折り合いをつけるのか?
これは前回の格差問題にも通じるテーマ。
過去数千年人類を苛んできたこの問いは、これからも我々の前途に纏わり付いてくることでしょう。
と、したり顔で宣ってますが、俺が今作で一番印象に残ったのは肥前名護屋の描写。
大陸侵攻の橋頭保として、秀吉肝入りで築かれた城下町です。
様々な人モノ金が集まり、一時は京・大坂を凌ぐ日本一の大都市に成長しましたが、秀吉の夢の終焉と共に、たった数年で廃墟となり人々から忘れ去られます。
一人の老人の稀有壮大な夢想と大都市の栄枯盛衰、この儚さにもっと迫って欲しかった。
ここいら辺、もうひと踏ん張りで感涙まで持って行けたのに甚だ残念至極。
改行多過ぎ
★★★☆☆
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