上田秀人著
上田先生とは五年振りですね。
『天主信長 我こそ天下なり』→260
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今回も天下布武の果て=行き着く先はってことで、またもや本能寺なんですけれども。
堺の豪商から見た織田信長。
主人公は今井宗久、脇侍に千宗易と津田宗及を据えます。
軍事ではなく、経済と文化(茶の湯)から信長の覇業、「布武の果て」を見届けます。
地味ッ!!
信長の歴史的行動(既知の史実) → 主役三人衆の井戸端会議(台詞による状況説明) → 信長の歴史的行動、、、
基本このパターンの繰り返し。
今作の読者は歴史好きが大半でしょうから、次に信長がやることを大方理解した上で読み進めることになると思います。
ですから主役三人衆のリアクションはまさに今作の肝。
ですが三人が三人共、致命的にキャラクターが薄いッ!!
信長の覇業を支えていたのは、偏に堺の経済力であった。
この攻め口でいくらでも面白くなりそうなんですが。
商人ですから戦場で実際に血を流すわけではない、間にお金が挟まっただけでこんなにも緊迫感が薄れるものか。
戦場を裏で支配する経済力という魔物の恐ろしさが殆ど伝わって来ません。
兎に角、主役三人衆始め、登場全キャラクターが薄いッ薄過ぎるッ!!
今井宗久の何がそんなに気に入らないんだろう?
と、感想文を書くにあたって改めて思い返してみるに、、、落ち着き払ってるんですね。
見付けたココだぞと。
堺がどんなピンチに見舞われようと、どっしり構えてます。だから読者も全然ドキドキしない。
茶室で二人きりの密談とか最高のシチュエーションなのに、悉くサラッと流れて行きます。
俺は主人公の心情と同期するタイプなんで、まさに全編凪状態。
勿論歴史の流れも知ってますし。
ストーリーがネタバレ状態で、キャラクターに感情移入出来ないとなると、そりゃマッタリした読書になりますわな。
冷静クールタイプが好みなら、また別の感想になるかもしれませんが、やっぱり俺は喜怒哀楽が露な人間臭いキャラが好きなんです。
腐してばかりでは俺の好感度が下がるんで、おおッ!となったところも。
ズバリ、本能寺の黒幕と動機です。
流石に「天主信長」ほど強烈なインパクトは受けないものの、今回もそう来たかとニヤリとさせられました。
終盤の唐突感がアリアリだったんで、もうちょっと巧く仕込めたのにと残念でなりません。
っつーかアレだと、次の秀吉時代で堺の立ち位置が微妙になるんじゃ、、、
おおっと、ヤベぇヤベぇ、、、また余計なこと書くとこだったわ。
黒幕と動機の魔術師
★★☆☆☆
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