幸田真音著
もともと『しぶといやつ』って題名だったらしい。
『人工知能』より何倍も今作を的確に表現してます。
だって人工知能の話じゃねぇんだもん、殆ど「しぶといやつ=主人公新谷凱」の一代記。
冒頭、自動運転車の事故から始まります。
はは〜んと、犯人捜しのミステリーか、はたまた人工知能が暴走するSFか、それとも機械に罪は問えるかという社会倫理に絡めてくるか?
様々なパターンを想定しましたが、全部大ハズレ。
いきなり章が飛んでやんちゃな中学生の話になります。
えッ!?そっからやんの??
幕末の動乱モノやるのに、江戸開府からみたいな。いやいやペリー来るとこからでいいじゃん。
しかも御丁寧に中高大から就職までガッツリ。まさに「新谷凱物語」状態。
冒頭の事故、延々と放置プレイです。
半分どころか三分の二を費やして、やっとこ本題に入るっつーね。
でもって、熟年女性作家が描く「ちょっとやんちゃな男子」キャラが些かリアリティに欠けると申しましょうか、、、昭和の学園ドラマみたい。
幸田先生スイマセン、正直に書かせてもらいますね。
文章が古臭ぇッ! あと状況説明ばっか。
作品の内容上技術的なことも多いので、どうしても説明過多傾向になるのは理解出来ますが、それにしてももう少し心理描写や情景描写があってもいいかなと。
今何が起きているか、今キャラクターが何を考えているか、全部こと細かに説明してくれます。読者に想像の余地を残してくれません。
別の言い方すれば、とても読み易いです。
本編、事故原因の究明と犯人捜査はそれなりに読ませるだけに、やはり前半の「新谷凱物語」の出しゃばり感がより高まります。
元のタイトル『しぶといやつ』のままだったら、「新谷凱」ホントにしぶとい奴だなぁと感心するとこなんですが、『人工知能』って題名に惹かれて今作を手に取った身としましては、いい加減人工知能の話しろや!「新谷凱」しつけぇぞってなっちゃうんですよ(哀)
まあ、兎に角売れることが一番ですから。よりキャッチーなタイトルを付けるのはビジネスとして当然ですよね。そこはそれ、出版業界も色々とあるんでしょう、大変ですな。
めちゃめちゃ良い奴「新谷凱」
★★☆☆☆
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