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2026年10月15日13:05

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「のち更に咲く」澤田瞳子(新潮文庫)

<出版社公式サイトの紹介文より>
藤原道長の栄華を転覆させようと都を暗躍する盗賊たち。道長邸で働く女房・小紅は、盗賊の首魁が死んだはずの兄との噂を知り探索を始める。その過程で権力を巡る暗闘とそれに翻弄される者たちの恨みを知った小紅は、やがて王朝を脅かす秘密へと辿り着き――紫式部、和泉式部も巻き込んで咲き誇る平安ロマン、艶やかに開幕。
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主人公の小紅の祖父・藤原元方は、天皇の外戚となる夢を絶たれ悶死、父の藤原致忠(むねただ)は、諍いから殺人を犯し、佐渡に配流の身となって死んだ。
「咎人の子」として、日陰の道をつましく暮らすしかないと、小紅は子どもの頃から達観したようにして生きてきた。
年の離れた兄・保昌は、官吏として有能で、父の負い目がばねになって、むしろ栄達への道を歩ませているかのようだった。

栄華を極める藤原道長だが、その輝かしさの陰には、彼によって出世をはばまれた者たちもおおぜい。都には、しばしば盗賊たちが跋扈し、貴族たちの館が狙われる。
小紅のもうひとりの兄・保輔は、生前、盗賊一味に加わってしまい、検非違使によって殺された、と聞かされていたのに、実は生きているという噂を耳にするが、どうにも信じがたい。そして小紅の記憶の中の保輔は、やさしいばかりの兄だった。
ある日、小紅は盗賊一味に捕らわれる事件に遭遇するが、彼らは道長への怨嗟を小紅にぶつける。一味の少女・御衣子(みいこ)は、なんと保輔の娘だ、と主張するのだが・・


わたしは学生時代、古文が苦手だったこともあって「平安時代」と聞くと身構えてしまうところがあるが、澤田瞳子氏の物語は、きっちりと史実を抑えたうえで、大胆な解釈を加え、見事な平安朝謎解きミステリーに仕上げている。
御衣子の実の母親は、あっとおどろく人物が登場する。
一昨年の大河ドラマ「光る君へ」を見たせいか、道長は柄本佑、その正妻・倫子は黒木華の姿が浮かんでしまう。

澤田瞳子氏は、歴史小説を数多く書いていて、わたしのまさに地元が舞台の「泣くな道真」「吼えろ道真」は、マイミクさんに勧められて読んだが、1100年前の道真公が大活躍する物語で、1100年前の様子が生き生きとよみがえる。
同様に本書も、「源氏物語」に胸ときめかせる小紅ら女房らの日々の暮らしも細やかに描かれ、歴史の大舞台に登場する人だけでなく、その陰で生きる名もなき人々にも歴史があるのだなと実感できる。
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