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2026年06月03日13:47

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映画「ライスボーイ」

ソヨン(チェ・スンユン)は1960年生まれ。赤ん坊の頃、韓国のお寺に捨てられていたところを、孤児院で育てられた。
大人になって居酒屋で働いていた頃、除隊した若者と恋に落ちるが、男の子を産んだ後、彼は精神を病んで、病院で自殺。
ソヨンは幼い息子・ドンヒョン(ドヒョン・ノエル・ファン)を連れて1990年、韓国からカナダに渡り、工場で懸命に働く。

ドンヒョンは小学校に入るが、ひとりだけのアジア人である彼は、なにかと、からかいとイジメの対象になってしまう。お弁当の韓国料理を揶揄され、「ライスボーイ! ライスボーイ!」とはやしたてられる。
思わず手が出てしまったドンヒョン。
ソヨンは学校に呼び出されるが、事情を聞いて「レイシストの子どもの方が悪いじゃないですか!」と怒りが収まらない。

学校の教師は、ドンヒョンの名を、「現地風」に変えることを提案。
学校では「デービッド」となる。
ドンヒョンは、お弁当はカナダ人の子どもたちと同じようなものにしてほしい、と頼むのだった。

成長し、16歳になったドンヒョン(イーサン・ファン)。
すっかりカナダの生活になじんだものの、学校ではなにかというとクラスメイトに、
「おい、韓国!」とからかい半分に呼ばれることにいら立っている。
そして自分の知らない父親のことをソヨンに訊いても、はぐらかされてしまう。

ソヨンも、工場ではベテランになり、同胞の韓国人女性の労働者もいる。
そして工場の主任で、やはり韓国ルーツのサイモン(アンソニー・シム)と親しくしていた。
サイモンは、ソヨンにプロポーズし、一緒に住まないか、と提案。

だが、ソヨンは前から背中の痛みが気になっており、受診すると、なんと末期のすい臓がんだと判明する。

余命を悟ったソヨンは、ドンヒョンを連れ、初めて帰郷することに。
向かった先は韓国のひなびた農村で、亡き夫の故郷だった。
義母(イ・ヨンニョ)は、激しくソヨンを拒絶するものの、義父(チェ・ジョンニュル)は、彼女と初めて見る孫であるドンヒョンを迎え入れてくれる。

夫は山のてっぺんに埋葬されている、と聞き、ソヨンは病身を押して、ドンヒョンと墓参りのため、山に向かうのだった・・


予告編を見て気になっていたカナダ映画。
監督・脚本・サイモン役をアンソニー・シムがやっている。
シム監督自身、1994年、8歳の頃、家族で韓国からカナダに移住し、アジア人と言うことで「異星人」のように見られた、という経験を持つ。
だからこの映画は、監督の人生も色濃く反映されたものだ。

ヒロインのソヨンが「捨て子」という設定は、朝鮮戦争休戦後だからありえる話。
当時の韓国は経済的に困窮し、「世界の最貧国」とも呼ばれていた。

シム監督も長じてカナダの生活になじんでいったものの、やがて自分のルーツに思いをはせるようになったという。
映画の終盤の、韓国行きのシーンは、夫の親族との再会と交流が胸を打つ。

韓国訪問で物語は終わるが、おそらく、カナダに帰ったソヨンは亡くなってしまうのだろう。だが、きっとサイモンは「義父」としてドンヒョンと暮らしていくんじゃないのか・・そんなことを予感させる、やさしいラストだった。
(6月1日、KBCシネマ)
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