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2026年05月04日11:37

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441冊目『ファウンテンブルーの魔人たち』

白石 一文 (著)

乃至(ないし)
主に「〜から〜まで」という範囲を表す場合と、「あるいは・または」という選択肢を表す場合の2つの意味で使われる言葉です。
Google 検索 AI モードより引用

「乃至」言い過ぎ乃至書き過ぎ乃至使い過ぎ。
p166から数え始めたんで正確ではありませんが約21回。全621pでp166から21回となると大体30pに一回の割合、、、って、言うほど多くなかったか。

、、、、、、。

ハイっつーわけで、どうでもいい言い掛かりは最初だけにしまして。
う〜〜ん、どうしたもんか、、、
はてさて何から書けばいいのやら、、、
そうね、取り敢えず俺が今作を選んだ理由をば。
先ずは安定の白石作品であるということ。
昨年「今年の一冊大賞」も獲ったココのエース作家、よもやハズレはあるまいて。
それから図書館端末であらすじを確認した際、単純に面白そうだったから。

>小説家の前沢倫文が恋人と暮らす新宿区のタワーマンションで、米露中の要人が立て続けに不可解な死を遂げた。倫文は死の謎を追うが…。アダムとイブ以来の繁殖形態に挑む、白石一文版黙示録。『週刊新潮』連載を単行本化。

どうよ?超面白そうじゃねッ!?
新宿タワマン米露中要人連続怪死事件ッ!!「 唆るぜこれは」
で、テンションMAXで読み始めるに、、、何か違う、、、上手く言えないけど、、、っつーか、俺は何読まされてんだ???

白石先生とは五度目の対戦。
ハイハイ、お得意のモテモテスペック高め主人公によるトラブルシュートものでしょと。
確かに入りはこんな感じ。

、、、、、、。

う〜〜ん、どうしたもんか?
皆さんにはマッサラな状態で読んで欲しいからなぁ〜〜
感想書くにあたって、どうしても先入観を植え付けちゃうなぁ〜〜
上記図書館端末の、あらすじ情報以外ゼロで読み始めた方が絶対楽しめます。
その他あらすじや批評諸々、一切触れるべかざる。
だもんで、こっから先を見ちゃうと読中のサプライズを確実に何個か奪ってしまうわけ。
それは非常にMOTTAINAI
まあ、なるだけネタバレしないように書きますけど。
、、、否、ネタバレなしじゃ感想無理だわ、、、
どうする?読む?読んじゃう?


△▼△▼△▼△▼△▼△▼ これよりネタバレ注意 △▼△▼△▼ △▼△▼△▼


「魔人(まじん)」
とは、主に神話やファンタジー作品に登場する、人間を超越した力(魔力や妖術など)を持つ存在を指します。
Google 検索 AI モードより引用

『ファウンテンブルーの魔人たち』

魔人じゃないんですよ、「魔人たち」なんです複数形。
ちなみに「ファウンテンブルー」はタワマンの名前ね。
実は今作、新宿のタワマンに集う異能者たちによる能力バトルなんですッ!!
まあね、白石作品に於いて主人公が能力者って設定は過去にもありました。
417冊目『この胸に深々と突き刺さる矢を抜け』
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1990135677&owner_id=263792&from=list_diary_title
のカワバタは、亡くなった息子の声を聴くことができましたし、
382冊目『道』
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1986552677&owner_id=263792&from=list_diary_title
の功一郎は、過去に時間を遡れました(正確には功一郎ではなく絵画の力)。
で今作の主人公「前沢倫文」はというと、幽体離脱と来たもんだ。
売れっ子作家でモテモテ(白石作品お得意のハイスぺ主人公)だけに飽き足らず、能力者とはまさに魔人。

さ・ら・にッ、前述しました通り倫文だけじゃありません。
ファウンテンブルーの住人が能力者だらけという超展開、まるで能力バトル漫画。
キャラクターだけでも大渋滞してんのに、さ・ら・にッ、ストーリーも盛りに盛って来ます。
殺人事件ミステリー、近未来の国際情勢、楠木正成の尊皇思想、最先端ロボット工学、小隕石落下で新宿壊滅、弓道の奥義、人工子宮、人口抑制、遺伝子操作、ジェンダー、生命倫理、そして、意識とは何なのか?
一つ一つでも長編書けるほどの壮大なテーマなのに、全部纏めたごった煮でゴリ押ししてくる白石先生の圧倒的筆力たるやッ!!
これだけ多種多様なテーマを、一作に納められる作家が他にいますッ!?
いやはや何とも豪快な力技でありながら、急進的な社会問題を考えるための器としての物語がエンタメとして成立しています。

そんで胸焼け起こすくらいネタブチ込んで、読者に考えるだけ考えさせといて、倫理的に賛否が分かれる問題に結論が出るのかというと、それはまた別の話。
これまたお得意の“ブン投げ”です。
「この胸に〜」で、Nの演説に感動してたら足元掬われたんでね、二度と同じ手は食いませんよと♪
そもそも、あんだけ拡げに拡げた風呂敷を畳めるはずもなし。
こりゃまたブン投げるなつって、やっぱり大当たりw

自然vs. 科学も、本能vs. 理性も、どっちが正しいかなんて誰にも判りません。
只その時その時の決断があるのみ。
それにしても完璧な社会ってのは、本当に幸せなんでしょうか?
戦争や差別は勿論、病や痛み、最終的には怒りや悲しみ、嫉妬に怠惰など人間らしい負の感情全てが消滅した世界。

悪意が駆逐された潔癖な世界で、聖人君子だけが暮らす理想郷。

、、、猛烈な違和感を感じるのは俺だけ?
勿論俺も基本的に秩序側の人間とはいえ、百パー完全無欠な世界ってのはちょっと、、、
ホラ、夜神月も獅子王司も作品内で完全否定されてたじゃないですか。
不完全なものにこそ愛着を見い出す「侘び寂び」ってやつです、日本人特有の精神性ってやつ、、、うん?ちょっと違うか、、、
まあ、そーゆー意味でもあのラスト、倫文の選択に大いに感じ入った次第。
こっちが正しくてあっちが間違ってるとかジャッジする気は毛頭ありませんが、やっぱ俺も人間である以上、合う合わない好みってのはあるわけでして。
さて、皆さんはどう感じますやら。


△▼△▼△▼△▼△▼△▼ ネタバレ注意ここまで △▼△▼△▼ △▼△▼△▼


ネタバレ避けで、書き切れてないサプライズがまだまだあります。
読中二回、、、いや三回かな?、三回は絶対に驚かされるはず。
これだけでも読んで損無し。
あッ、乃至(ないし)の多用入れたら四回だわw

それからもう一つ。
皆もタワマン住んでみたいでしょ?超高級タワマン。
今作の魅力は高級タワマン生活を疑似体験できるところ。
衣食住・医療・行政・生活の全てが敷地内で完結する新宿の超高級タワマンの上層階ですよ。

最高の眺め〜美食(白石先生の蘊蓄炸裂)〜性交〜ジムにプール〜能力使って他人のプライバシーを盗み見ついでに犯人捜し〜取り敢えず執筆〜最高の眺めの無限ループ。

くぅぅ〜〜これぞ勝ち組、リア充の極み、しかも幽体離脱でその高級タワマン生活さえも超越してしまうチート振り。
紳士然としていながら、所々漂う下衆加減がほんのり香ばしい。
コレコレ、この清濁併せ呑む感じ。これこそが人生よ。
この濃密な疑似体験に比べりゃ、メインテーマの生命倫理がどーのこーのだの、殺人事件の犯人捜しだのはオマケみたいなもんです(爆)

正直、合わない人には全然合わない鼻につく作品かと。が、凄味は確実に漂ってます。
前回の『残月記』にも相当打ちのめされたけど、今作には全くの別角度からブン殴られたわ。
いかが?貴方も憧れのタワマン生活を疑似体験してみたらいいじゃない。


ファウンテンブルー住みてえぇーー
★★★☆☆
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