宇佐美まこと (著)
表紙を一見して、成る程お遍路の話かと。
娑婆で何かしらやらかして、お遍路で四国を廻ることで心の平穏を得ようとする筋書きだなと。
やや外れ。
戦前のお遍路さんの日記を読んだ、現代の中年女性が主人公。
人生に倦怠感を感じ始めた四十二歳の「鞠子」は、旅行代理店を経営する傍ら、年下の部下「紘太」との気儘な恋愛も楽しんでいた。
新企画案で持ち上がったお遍路ツアーで、父が所有する四国の古民家を利用できないかと考えた鞠子は現地へ視察に向かう。
そして、机の引き出しの中から古い日記を見つけるのだが、、、
旅の様子が淡々と綴られる、昭和十五年に書かれたお遍路の日記パート。
鞠子の加齢による気力の衰えがダラダラと描かれる現代パート。
うーーん、序盤は「いきじごく」感ゼロ。
日記の方は、ひたすら霊場を巡ってる描写が続きますが、過去にとんでもないことをやらかしてお遍路してる感がヒシヒシと伝わってきたんで、焦らずじっくり読み進めますが、現代パートの方がつまらん。
兎に角、鞠子のキャラクターがいただけません。
仕事に対して熱意を失っている、真摯に求婚する紘太の気持ちを踏みにじる、キャリアウーマンの気位ばかりが高い、いけ好かないBBA振りがこれでもかと描かれててうんざり。
愛情はないが情欲は旺盛、悶々とした中年女性の生々し過ぎる恋愛葛藤を延々と読まされるという別の意味での「いきじごく」体験。
オイオイオイッと、タイトルと内容が全然合ってないんですけけどと戸惑うも、中盤に事件発生。
ここにきて鞠子への嫌悪感が限界突破。
ここまで胸糞悪い主人公は久し振りです。
一体全体この状況にどう落とし前付けんのかッ???
と、それだけは絶対に見届けなければと読み進めるに、ダラダラと物語は進み諦めかけた終盤、遂に大どんでん返し炸裂ッ!!
やってくれます宇佐美先生、信じてました。
こちとら、377冊目『羊は安らかに草を食み』読んでるっつーの。
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1985981078&owner_id=263792
いいですか皆さん、終盤怒涛の「いきじごく」が展開されます。
本来ならば鞠子がギャフンと言わされて溜飲を下げる展開かと思いきや、遥か斜め上にコークスクリューアッパーが叩き込まれます。
読者の誰もがある程度の展開は予想してると思うんですよ、でもね、あと二捻りぐらいあっから。
帯にもある通り、「女の情念と怨念」を読みたいなら、やっぱ宇佐美先生でしょって太鼓判。
お遍路の文化的蘊蓄も盛り沢山
★★★☆☆
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