柚月 裕子 (著)
や行書架にて迷う俺。
ゆづき/ゆずき、、、柚月/柚木、、、はてさて、どっちだったか、、、
読書を趣味にするにあたり、色々と掟を定めておりまして。
その一つに、「一年につき一作家一作品」っつーのがありまして。
乱読派としましては、一人でも多くの作家さんと巡り合いたいと。
で、や行書架で迷うと。
四月に読んだ『孤狼の血』って、柚月裕子先生だっけ?柚木麻子先生だっけ?
今作と柚木先生の『マジカルグランマ』、どっち借りるか、、、
エイやッと選んでドン被り。
何か作家さんって、似てる名前の人多くね?
っつーわけで掟破り、今年二作目の柚月作品。
日々の生活に疲れ果て、心労から心療内科に通う冴えない主婦「高村文絵」
趣味の懸賞で当選したディナーショーの会場で、文絵は中学時代の級友「杉浦加奈子」と再会する。
大して親しい間柄でもなかったはずと、朧気な記憶を手繰り寄せる文絵。
この再会が彼女の運命を徐々に狂わせていく、、、
家庭生活に理解の薄い夫、娘のいじめ問題、貧しいわけではないが全く余裕がない経済状態、ストレスによる過食、心療内科への通院。
満たされない主婦の噎せ返るような生活臭。
家庭生活の灰色に淀んだ面がこれでもかと強調され、序盤でかなり読書体力を消耗。
性格が似てるのか、文絵の心情が流れ込んで来て辛い。
そんな灰色の日々に差し込む白い輝き「加奈子」登場。
加奈子は文絵に化粧品の輸入販売ビジネスを持ち掛けます。
奥手で引っ込み思案の文絵を、言葉巧みに共同経営へ引っ張り込む加奈子。
存外の報酬、新しい出会い、必要とされる喜び、そして美の追求。
加奈子によってもたらされた、妻でもない母でもない“女”としての生き甲斐。
やっぱ女性って、いくつになっても美しさに対して並々ならぬ執着があるんですね。
過食で肥満の文絵が、海外ブランド化粧品に相応しいモニターになるために必死に努力する様は、男ながらに応援したくなるものがありました。
学生時代はモテていたこともありポテンシャルは秘めている文絵。
ダイエットに成功し、ファッションにも気を遣うようになると、みるみる輝きを放つマダムに大変身。
しかしウツボカズラが吐き出す甘い息は、美を追い求めるシンデレラストーリーに非ず。
加奈子が所有する鎌倉の別荘で殺人事件発生、文絵は訳が分からぬまま容疑者として逮捕されてしまいます。
実は今作、二軸構成でして。
過去から殺人事件までを描く文絵パートと、事件発覚から殺害当日へ遡る捜査パート。
神奈川県警捜査一課のベテラン刑事「秦圭介」がもう一人の主人公。
オイオイ俺より年下かよ(哀)
加奈子と再会し、化粧品モニターとして生き甲斐を得た文絵が逮捕されるまでのストーリーラインと、秦の地道な捜査で加奈子の正体が暴かれていくストーリーラインが事件当日で交錯するカタルシス。
過去から真実へ流されていく文絵と、現在から真実へ遡る秦が出会ったとき、加奈子の恐るべき本性が引き摺り出されます。
実は、実はッ今作、、、あーーッ、ネタバレになるから書けねぇーーッッ
まあ、ご自分でお読みになって確かめて下さいな。
正直、うん?って感じになっちゃいましたけど、、、俺はね、、、まさかの放置プレイ?みたいな、、、あーーッ、書きてぇーーッッ
冴えない主婦のシンデレラストーリーからの転落、ベテラン刑事の捜査で一歩一歩真実に近付いていく快感、そして、、、
と、この一作でいろんな味が楽しめる「ひつまぶし」みたいな小説でした。
当たり前ですけど、388冊目『孤狼の血』と
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1987472772&owner_id=263792
全くテェストが違ってビックリ。
柚月先生の引き出しの多さに、早くも次回対戦が楽しみです。
最後に一つ。
配偶者と子供に自分の人生を侵食されるという、現代日本におけるありふれた結婚生活の側面をこんだけ見せつけられると、淋しい独み身も案外捨てたもんじゃないなぁ〜〜と思ったりなんかしちゃったりして。
強がりじゃないよ
★★★☆☆
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