近田春夫による著書「グループサウンズ」が文春新書より刊行された。
今までも「考えるヒット」シリーズなどロック・ミュージシャンから見た
歌謡曲の分析には非常に長けた人だったが、今回はグループサウンズ(以下GS)
のみにスポットライトが当てられている。
個人的には、GSは完全な後追いなのでリアルタイム世代の著者の目線に
常識を覆された気分になった。
まず、GSブームはビートルズに触発されてストリートで生まれたものではなく、
テレビ局や大手プロダクション主導だったと言う事実だ。
元タイガースの岸部おさみ(現・一徳)も最近テレビの対談で語っていたが
ブリティッシュビートではなくヴェンチャーズやアストロノウツなどエレキ
インストグループに影響を受けてバンドを結成したらしい。
その後、それぞれのグループがアマチュア時代にシャドウズ、アニマルズ、
ポール・リヴィアなどをカヴァーして頭角を現すのだが、いざプロになると
ロックを知らない職業作曲家の歌謡曲でデビューする事になって聞いてみて
落胆したと言う著者の話も生々しい。
本の大まかな内容は、スパイダースやタイガースなどブームの中心的グループに
ついて語った近田春夫のグループサウンズ論、元タイガースの瞳みのる、
元ゴールデン・カップスのエディ藩、作曲家の鈴木邦彦と著者との対談、
近田春夫が選ぶGS10曲の三部構成。
グループサウンズを近くで見てきて、ブームの末期には自らも参加していた
著者だからこその言い回しには説得力がある。
GSに限らず、日本のロックの創成期の舞台裏を暴くエピソード集としても
面白く読めた。
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