又吉直樹著
オイオイオイ、『火花』→274 と同じじゃねぇーかッ!!
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漫才が演劇に、先輩と後輩の友情が男女の恋愛に変わっただけ。
、、、、、、。
だ・け・ど、めちゃめちゃ良かったです。
やっぱ又吉先生と相性バッチリだわ。
話に引き込まれるのは勿論、思わずメモりたくなるようなハッとする文章に出会うんだよね。
「僕はポケットに手を入れて歩く。手を出していると、手にどんな形をさせていればいいかわからなくなるから。」
「ここではないどこかへ行きたいと願うことと、ここではない別の場所を自分達で作ろうとすることは似てはいるが、決定的に違うものだ。」
「芸術というものは、何の成果も得ていない誰かが中途半端な存在を正当化するための隠れ蓑などではなく、選ばれた者にだけ与えられる特権のようなものだという残酷な認識を植えつけられた。」
一文一文がビタッと俺の心の凹部分にハマる、感性が近いんだと思う。
読み終わった後、すぐ読み返したくなったもん。
それと『火花』の感想でも書きましたけど、又吉先生の優しさと東京への愛情がビンビン伝わってくるのも大好きなところ。
俺、恋愛小説は苦手ジャンルなんだけど、今作はどっぷり嵌まりました。
要は、売れない劇作家永田と青森から上京してきた大学生沙希の数年に亘る恋の話なんだけど、ストーリーらしき大筋は無くて殆どエピソードの繋ぎ合わせ。
ただこのエピソードの一つ一つが沁みるんだなぁ〜〜
男性読者ならほぼ全員が沙希に恋するんじゃないでしょうか。
女性はこんな奴おるかッ!と激怒すること必定w
しかし相変わらず“愛すべきクズ”を描かしたら天才ですね、又吉先生。
売れない劇作家永田の自堕落な日々、しかしそれを愛さずにはいられない沙希の純情。
いっそ外道の方がまだマシ、外道ならスッパリと人間関係を絶てばいいだけだから。
売れないだけならまだしも働かないで沙希に頼りっきりのヒモ生活、正真正銘のクズ、だけど厄介なことに“愛すべきクズ”なんです永田。
実は俺も遙か昔、演劇かじってたことあって。
多少なりとも演劇界のことや表現者の生みの苦しみを知っている分、普通の読者よりは永田に近いかなという実感はあります。
それでも、永田の余りに不器用な生き様は全く共感出来ません。
全身全霊で愛を注いでくれる彼女が側にいる。後は只自分の気持ちに素直になるだけ。
たったそれだけのこと。
そうなんです、だけどこの、たったそれだけのことが中々出来ないんだよなぁ〜〜
さっき共感出来ないって言ったけど、バリバリ共感してんじゃんッ!
うんうん、皆もそうでしょ、素直になりたいのになれない。
「ありがとう」、「ごめん」、「好きだ」って素直に言えたなら、、、
あーーッ人間って面倒臭ぇッ!!
でもね、恋愛小説に興味ない俺にも、この切なさは身を切るほどに伝わってくるのよ。
人を好きになる、恋愛ってやっぱ人生の根幹ですよね。
様の東西を問わず、老若男女誰にでも響く不変のテーマだわ。
そうそう、『火花』で俺が絶賛した読者が凍り付く絶句シーンが今回もあんのよ。
流石に『火花』のインパクトは越えられなかったけど、このシーンで読書がビタッとフリーズしたのは事実。
マジかッ!?今その台詞吐かせるか???みたいな。
あの時の沙希の気持ちを思うと、ホント心が張り裂けそうになるわマジで。
っつーか毎回毎回文章だけで、よくもここまで俺の心を掻き乱してくれます又吉先生。
ねー、やっぱラブラブで付き合って、最後私たち結婚しました

じゃ恋愛小説にならないわけで。
そして東京は夢が叶う場所じゃなくて、夢が破れる街。
う〜〜ん、切ねぇ、切な過ぎるぜ。
でもどうしようもなく心に残るんだよなぁ、何なんでしょ、この切なさに惹かれる感情。
面白さも衝撃度も『火花』より一回り小さいですが、何度も読み返すことになるでしょう。
そして、読み返す度に切なさに悶えまくるのです。
この感覚は爺になっても保っていたい。
映画版も良さそう
★★★★☆
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