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2019年04月30日22:58

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277冊目 『RANK』

真藤順丈著

>道州制による分権のもと、監視カメラのネットワークによって国民に絶えず順位を付ける制度(RANK)が施行される近未来の日本・関東州。(RANK)低位者の拘束を業とする公務員「執行官」の中には、任務に疑問を抱く春日と、歪んだ正義感のもと暴走していく佐伯がいた。抑圧された人々の蠢きによって、自らに危機が迫っていることも知らず…第三回ポプラ社小説大賞特別賞受賞作。

選球眼には絶対の自信があったんです。
三百冊弱小説読んできて、ただの一度も読むのを途中で止めた作品がないってのはココの自慢の一つでもあるわけで、、、

「最上義光」、前回の「ニサッタ」の前半、そして今回と。
今年だけでもう三作目、選球眼の衰えは最早疑いようもなし。

アマゾン絶賛って、マジか!?
ガチ本音っつーのもココの掟の一つなんで、また好き勝手書かせてもらいます。真藤先生スイマセン。

ハイ、っつーか設定はメチャメチャ面白そうでしょ。
俺もあらすじだけ見て、これはイケる!と感じましたもん。
実は過去何回か書架でチェックさせていただいてまして、でもその度、何か違うなという直感が働いて避けていたものの、先日『宝島』の直木賞受賞で、それならばと改めて今回手に取らしていただいた次第。
そーなんです、いつも権威に反発しとるくせに結局は弱いっつーね。
正直、ライトノベル系の作家さんという認識も敬遠の理由にありました。
実際に読んだ作品の内容ではなく、世間の評価や展開された媒体でその作品を判断するようなことがあってはならないと戒めてたつもりでも、自分の中に小説における厳然たる格付け、古典の名作→純文学→大衆作品→ライトノベルという序列が存在するのも事実なわけで。
今回の選定にあたり有耶無耶に誤魔化していた自分の中に巣くう文化的差別意識みたいなものを刺激され、何とも気まずい感じ。

しかしッ

直木賞受賞作家だろうが文化的差別意識で気まずかろうがつまらんもんはつまらん、こっからは俺が感じたことを正直に書かして貰います、御無礼は平にお許しを。
先ずは、、、
暴力描写がもう駄目。
ココでも何度か述べてますが、歳のせいかホントに駄目になってきた。
特に弱い者が一方的に嬲られる展開。
暴力は暴力でも強者同士のぶつかり合いは大好物なんですが、自分が全く反撃される心配がない絶対安全圏から弱者に振るわれる暴力に対する嫌悪感はもうどうしようもない。
しかも今作の主人公の一人「佐伯敏鷹」は、暴力が手段ではなく目的のイカれた腐れ外道、同情及び感情移入の余地皆無。
前回、嫌悪感を読書牽引力に変換すればいいみたいなこと書いてましたけど、やっぱ主役には最低限度の魅力ってもんが絶対必要だわ。
過剰な暴力描写といえば直近だとこの作品ですが→273
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1970428018&owner_id=263792

「ダイナー」も正直キツかったけど、アチラはまだ魅力的なキャラとスタイリッシュな雰囲気という暴力描写の不快感を打ち消す長所がありましたんで。
翻って今作、主役の二人といえば腐れ外道と良い人だけの無能、加えて作品全体から漂う強烈な中二病臭。
不快な暴力描写にひたすら耐え抜く修練のような読書と相成りました。
そうなんです中二病臭、難解な語彙を多用して文章を捏ねくり回してる感じ。
難読漢字連発、わざとレアな言い回しに差し替えて、こんなに凝った文章も書けますよっつーか、読者如きに嘗められてなるものかみたいな。

終熄/終息
脈博/脈拍
嘔気/吐き気
仕種/仕草
戦々兢々/戦々恐々

右側で良くね? 馴染みがない左側をわざわざ使う意味って??
勿論どんな語彙をチョイスしようが作家さんの自由なんですが、重厚さを出そうとして逆に陳腐になってるような。
っつーか、俺が重箱の隅をほじくり返してるだけ?
一旦気になり出すとまたかよッ!って感じで、気付いたら難読漢字メモ三枚ですよ。
いきなり本文を二段組にしたと思ったら、さらに三段組にしてみたり、捲ってビックリのビジュアル効果ページとかね。
こういう小細工もいただけません、やっぱ作家なら自らが紡ぎ出す文章オンリーで勝負していただきたい。

それから物語の根幹「RANK」システム、「PSYCHO-PASS」のシビュラシステム思い出しました。
アイディア自体は素晴らしいものの、イマイチ練り込みが浅く粗が目立つ。
混沌対秩序、もっと言えば暴虐の自由と平穏の奴隷ではどっちがマシかみたいな。
どっちの陣営もクソで全く共感出来ないし、システムの正体やオチも強引。
独裁者の独断専行ならまだしも、まがりなりにも民主主義国家であの運営はありえません。
人間○○○○○なんて、どう考えてもリスクとリターンの割が合ってない。
例えディテールが粗かろうともストーリーやキャラに魅力があればぐんぐん読ませるんですが、沸き上がるのは過剰な暴力描写への嫌悪感のみ。

、、、あちゃー我ながらマジでボロクソですね、上から目線で偉そうに申し訳ありません。
フォローでも何でもなく今回たまたま合わなかっただけかもしんないし、真藤先生には何かこう感じるものもあって断じて一作切りの作家さんではないと思いますんで、いずれ再戦することになるのではとハイ。
その時こそが真の評価かと、、、


第一印象の的確さと長文を読むしんどさを再認識
★★☆☆☆
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