川上 未映子 (著)
遂に、二年越しの約束を果たすとき来たれり。
391冊目『乳と卵』
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コレコレ、この表紙よ。
改めてオーラが滲み出とりますなぁ〜〜面白そうオーラ。
流石に四百冊も読んでると、顔見ただけでピーンと来るようになるもんですねぇ。
表紙からこれ程のオーラを放つ作品は、過去振り返ってみてもこの二作くらい。
362冊目『テスカトリポカ』
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236冊目『猿の見る夢』
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さてさて、年間一位二位の強敵に勝てますかどうか、、、
金と男にだらしない母に愛想を尽かした高校生の「伊藤花」は、家を出て母の友人でホステス仲間の「吉川黄美子」と暮らし始める。
三軒茶屋でスナックを開店した二人だったが、、、
面白いッ!!
やっぱ俺の選球眼は衰えてなかったわ。
久々に一冊まるまる浸って、他人の人生を追体験させてもらいました。
二十年という時間、大都会東京の空間、揺れ動く感情、この三要素の密度が凄まじい。
圧倒的リアリティ、まさに人生、これぞ生きていくということ。
いやぁ〜〜ズドンと来たねぇ〜〜
直近だと「残月記」の冬芽の人生にも打ちのめされましたが、
440冊目『残月記』
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あっちはフィルター一枚挟んでっから。
舞台が近未来の独裁国家となった日本となると、どんなに感情移入しようともやっぱり物語の世界のお話なわけです。
翻って今作のテーマは貧困と犯罪、そして絡み合う人間関係。
直面してないとはいえ、このすぐ隣にあるリアリティ。
今歩いている道から二歩三歩でも踏み外せば、俺もポッカリ空いたこの深い穴に落ちるかもしれないという恐怖感。
そして己の人生にどこまでも絡み付いてくる、切っても切れない人間関係のしがらみ。
決して悪い人じゃないけれど、ポンコツな人っているじゃないですか。
簡単に騙されたり、後先考えず借金したり、約束を守れなかったり。
事件になる手前のトラブルの段階、一般常識に欠けてるっつーか、お人好しっつーか、情報弱者っつーか、何かしら周りに迷惑をかけてしまう人、大丈夫大丈夫何とかなるつって何とかなんない人。
花の場合は母親であり黄美子、俺の場合は親父ってわけです。
周りのポンコツに人生を引っ張られてしまうという共通点で、花への感情移入が半端ない。
場面場面で花の選択する行動が一々腑に落ちて、シンクロ率400%の完全融合。
もし俺が黄色い家に住んでいたならば、花と同じ様な結末を迎えたことでしょう。
花が俺の境遇にあれば、今の俺と同じ様な人生を送っていたはず。
作中四苦八苦する花を見るに、とても他人事とは思えない。
不器用なのにその生真面目さから何でも自分で背負い込もうとする姿も、自分で勝手に膨らませた妄想の恐怖に圧し潰されそうになる姿も、不満を上手く言葉に出来なくて溜めに溜めた末爆発させてしまう姿も、、、まんま俺じゃん。
最後の最後、もうどうしようもなくなった時縋るのがスピリチュアルって。
あるある過ぎて怖いわ。
そうなの、そうなんです。
助けてあげてるんじゃないんです、見捨てる勇気がないだけ。
優しいわけじゃないんです、血も涙もない鬼と呼ばれる覚悟がないだけ。
いっそ外道悪党ならば、バッサリと人間関係を断ち切れるのに。
家族という血の鎖、恩という呪縛。
あのファミレスのシーンよ、あと母親の部屋を片付けるシーンね。
花ほどではににせよ、俺も親父には散々振り回されたから、、、
もう堪らんわ限界、ただでさえシンクロ率400%なんだから、もうちょい加減して下さい。
ひょっとして並行世界の自分じゃなかろうか?→「花」
物語としての受容ではなく、マジでこの人生を生きてたかもしれないという魂の同期みたいなもんを感じる。
あまりにシンクロ率が高過ぎて「花」以外の感想が吹っ飛ぶ、↑↑↑この有様でございます。黄美子さんガン無視。
有難いことに現世?では作中の花ほどお金に困ってないんで、罪を犯すまでには追い詰められておりません。つっても部屋にクーラーないけどね←作中の文化住宅以下(哀)
で、この世の中には人生という道を踏み外し、深い穴に落ちてしまう人が一定数確実にいるわけで。
犯罪の瀬戸際を漂流する者たちを何とか引き戻せないものか。
家族と社会のセーフティーネットから漏れてしまった人々をどうにか掬い上げられないだろうか。
我々は、いつの日か貧困を撲滅できるのでしょうか。
、、、、、、。
あれ?さっきはポンコツは見捨てろみたいなこと力説してたくせに。ホント綺麗事が過ぎるっつーの。
実は読了後いてもたってもいられなくなって、作中の花よろしく、渋谷から三茶まで歩いちゃいました。
聖地巡礼なんて、井の頭公園に又吉先生探しに行って以来よ。
274冊目『火花』
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1970605534&owner_id=263792
最後に一つ。
ネットで感想を漁っておりますと、生きていくためには犯罪も止むを得ないというような考えが散見されますがそれは無い、断じて無い。
自らの不幸を他人の不幸で埋め合わせるという、理不尽な行為が許されるはずはありません。
だからこそ貧困層が犯罪か野垂れ死かの二択に追い込まれたとき、そこから救い出せるセーフティーネットを社会全体で構築していかなかければ、、、って、ホント綺麗事が過ぎますねと。
成瀬スマン、今年も大賞獲れんかも
★★★★☆
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