垣根 涼介 (著)
ほうほう、甲州金と石見銀山ですか。
経済的側面から戦国を斬るみたいな?さてさて誰を主人公に据えるのか、、、
と読み始めるに、見覚えのある顔ぶれと再会。
兵法者の「新九郎」と辻賭博の「愚息」、そして我らが気弱の「明智光秀」、まさかこの三人組にまた会えるとは。
えぇーっと、、、十一年振りッ!?
147冊目『光秀の定理』
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1930715723&owner_id=263792
作中での経過時間も大体そんなもん、いやぁ〜〜懐かし過ぎんでしょ。
続編の
295冊目 『信長の原理』
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1974234112&owner_id=263792&from=around_this_time_diaries
には、新九郎と愚息出てなかったような、、、出てたとしてもチョイ役のはず。
これからの戦は金だッ!!
戦国一のブラック企業ODA株式会社、またもやワンマン社長の無茶振り発動。
信長の密命を帯びた三人組は潜入調査に赴きます。
先ずは武田の金山を探るため東へ。
甲斐へ向かう途次、一行は駿河の港町で一人の男と出会います。
一応伏せますんで、ネタバレ嫌な方はリンク先踏まないよーに。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E4%B9%85%E4%BF%9D%E9%95%B7%E5%AE%89
コイツが兎に角超強烈なキャラクター、事実上今作の主役といっても過言ではありません。
武田・金山・好色とくれば、、、戦国詳しい方ならピーンと来ますかね?まあ、当ててみてちょうだい。
あれやこれやありまして、ここで件の三人組が四天王にクラスチェンジ、いざ西国へとなるわけです。
明智光秀・・・リーダー 少々頼りないが、いざという時には決める漢
新九郎・・・剣の達人 一行のボディーガード役
愚息・・・元倭寇の生臭坊主 航海術に長ける
〇〇〇〇〇・・・駿河から合流 金と女に目がない影の主役
魅せる四人組ですねぇ〜〜
さて、毛利編は有名武将が続々登場しますが、やっぱイチオシは「小早川隆景」ですかね。
毛利きっての智将vs. 織田の新星光秀、なかなかに滾るマッチメイクじゃございませんこと。
勿論フィクションですよ、解ってます、解ってはいるけれど。
でも、、、もしかしたら、、、ひょっとしたら、、、あるいは、、、あったかもしれないじゃないですか、、、まあないんですけどね。
ココですよ皆さん、ココがギリギリの境い目です。
前回(434冊目)物議を醸した歴史小説と歴史ファンタジーの境界線。
明智光秀は、〇〇〇〇〇とも小早川隆景とも99.99%会ったことはないでしょう。
そもそも光秀からしてみれば、
「何で俺なの?忍課に振れよ、京都の仕切りでクソ忙しいのに、出張してる暇なんかないっつーのッ!!」
ってところでしょう。
だ・け・ど、万が一0.01%の確率で会ってたかもしれないじゃない?、、、まあないんですけど。
前回みたくややこしい歴史認識の絡みもないし、ココは作家が己の想像力で自由に遊ぶことができる【0.01%万が一の領域】なのです。
この線を1�个任皹曚┐襪函�途端に歴史小説が歴史ファンタジーに変異してしまうという境界線。
まさにその線上内側ギリギリまで、娯楽性をパンパンに膨張させて来ます。
史実に沿った歴史ファンタジーか、娯楽性を追求した歴史小説か。
ここいら辺の匙加減は人それぞれでしょうが、垣根先生の塩梅たるや絶妙。
っつーわけで、魅力的なキャラクターとエンタメ全開のストーリーで文句なく面白いです。
これから戦争の勝敗は、国力(経済力)で決まるという信長の冷徹な読み。
それぞれの鉱山から産出量と流通量を割り出し、街の規模や商業の振興具合から武田/毛利両家の国力を算出する件は、戦国ファンならずとも興味が尽きないところ。
経済学者宛ら、〇〇〇〇〇の分析力に唸らさせられます。
曰く、経済規模は毛利>武田、先ずは与し易い武田から攻略され、次に毛利。
我が殿信玄公は戦の天才であるが、織田との国力差は如何ともし難い。小競り合いで何度か勝てたとしても、長期総力戦では必敗であると。
まるで、近衛文麿に日米戦の展望を聞かれた時の山本五十六みたいじゃないの。
御存知の通り、歴史は彼の想定をなぞることになります。
未来人の垣根先生が台詞書いてんだから、想定が的中するのは当たり前。
史実という配られたカード内で勝負するのが,歴史小説の絶対ルール。
史実完全公開=オチバレ状態を掻い潜り、如何にキャラクターの凄味やストーリーの捻りを生み出せるのか。
まさにこれこそが、歴史作家諸先生方の腕の見せ所。
リアリティとエンタメのラグランジュポイント【0.01%万が一の領域】
今作はまさにこの一点を、とことん攻めに攻めて攻め抜いた作品かと。
そーなんです、俺たち読者はこの後歴史がどうなるか知ってるんです。
悲劇的な結末を知ってるだけに、束の間芽生えた四人の友情が切ない。
旅先での一期一会、もう二度と会うこともない人々との出会いと別れが哀愁を誘います。
しんみりと余韻に浸っていたらあのラスト、信長の総括ですよ。
怖ぇえーー、シリーズ通してその狂気の天才振りは健在。
〇〇〇〇〇の想定同様、こっちも垣根先生の胸先三寸とはいえ、あの驚異的な洞察力は異常。
知らぬは三人組ばかりなり、光秀には心底同情します。
っつーか、このシリーズ、、、本能寺もやる?やるの?やっちゃうんですかぁ?
キャラクターS/ディティールA/ストーリーB/アクション描写E
★★★☆☆
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