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2025年12月17日12:51

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映画「TOKYOタクシー」

個人タクシー運転手の宇佐美浩二(木村拓哉)は、娘(中島瑠菜)の学費や家賃の更新料がのしかかり、頭を痛めていた。妻・薫(優香)も、入学金の支払いが気がかりだ。

ある日、運転手仲間の代理で、葛飾・柴又へ高野すみれ(倍賞千恵子)を迎えに行く。
すみれは、これから葉山の老人ホームに入るので、最後に東京の思い出の場所をいろいろめぐりたい、と言うのだ。

どちらかというと彼は無愛想な運転手。すみれに話しかけられてもあまりにこやかな対応はしない。
浅草の言問橋に行ってほしいと言われ、橋の上ですみれは「ここで父が亡くなったのよ」。
浩二は「交通事故ですか?」。すみれは「何言ってるの! 東京大空襲よ」。

次に上野に行ってほしいと言われ、狭い路地を運転。幼い頃、すみれはここで育ったのだという。上野公園でコーヒーを飲みながら、すみれは浩二に、自分の人生をさまざま語る。それは壮絶な人生だった。

若い頃のすみれ(蒼井優)は、ダンスホールで知り合った在日朝鮮人の男性(イ・ジュニョン)と交際。
しかし彼は新潟からの「帰国船」で北朝鮮へ行く。一人残されたすみれは妊娠していた。

男の子・勇を産み、母の店を手伝ってシングルマザーとして働いていたが、店の常連客・小川(迫田孝也)に言い寄られる。母は彼にいい感情を持っていなかったが、夢中になったすみれは子連れで結婚。

しかし、小川は暴言を繰り返し、勇をちっとも可愛がらない。今で言うDVも受け、耐えかねたすみれは、眠っていた小川に、たぎった油を・・
傷害罪で起訴され、すみれは服役する。

東京を巡りながら、すみれの人生を聞くうち、浩二も次第に彼女と打ち解けていく。
浩二も、薫と知り合って結婚したいきさつを少しずつすみれに話し出す。

すみれは出所後、「ネイル」の勉強をしようと、一念発起して渡米。そして帰国後はネイルサロンを開き、成功を収めたのだった。

夕暮れ、横浜ベイブリッジを渡る。「生きているからこそ、こんな美しい風景が見られる」とすみれも実感。
そして浩二は、すみれと横浜でディナーを共にする。
向かった葉山の施設は、豪勢な高級ホームだった。しかしすみれは「もう一晩だけどこかホテルに泊まりたい」と言い出す。
施設職員や浩二になだめられ、ようやくホームに入るすみれ。

一週間後、妻も伴い、すみれに面会に行った浩二だったが、なんと彼女が急死したことを知る。しかし、すみれ自身は心臓を患っていて、死が近いことをわかっていた。
すみれの代理人阿部(笹野高史)から、手紙を渡され、一日つきあって東京めぐりをし、身の上話を聞いてくれた浩二への感謝の言葉と、小切手が添えられていた。それは驚くような金額だったのだ。


フランス映画「パリタクシー」の日本版リメイク。本家のほうの映画はわたしは見ていないが、本作は、いかにも山田洋次らしい物語。
戦争の空襲被害、在日コリアン、貧困、家庭内暴力と、「弱き者」のエピソードが並ぶ。
迎車で行った先が柴又なのも「男はつらいよ」を思い出し、ご愛敬。
親切にしてあげたら、その人は大金持ちで、望外のお礼が・・というのも、ちょっと手あかのついた物語だけど。

倍賞千恵子は84歳だが、まだまだお元気だ。「PLAN75」でも主演を務めていた。
キムタクは、正直、人気絶頂の頃もわたしは好きじゃなくて、「カッコいいばかりの役ばかりやっててもなあ」と思っていたが、今回は金銭的に苦労する、庶民的なタクシー運転手。娘に甘い、フツーのお父さんである。
逆に彼の若い頃を知ってる分、こんな役柄も演じるようになったんだなあ、キムタクも50代のおっさんなんだなあ、と。

見終って「仕事をするはずだった、運転手仲間にもなにかおごってあげないと・・」と思う私であった(;´∀`)
(12月11日、イオンシネマ大野城)
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