mixiユーザー(id:263792)

2022年12月11日17:10

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358冊目『人類滅亡小説』

山田宗樹著

マリオカートでさ、過去の記録と競争出来る機能あんじゃん、アレだわ。

山田先生のSF作品には全幅の信頼を寄せておりまして。
何故ならばッ『百年法』→267
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1969847699&owner_id=263792
読んでるから。
リンク飛んでくれました?
『百年法』→267
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1969847699&owner_id=263792
↑見てよ、この超長文による激賞ッッ
そうなんです、今作を読み進める私の前を『百年法』→267
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1969847699&owner_id=263792
の幻影が常に走ってる状態。

絶対読んで欲しかったので、三回貼らせていただきました。しつこくてスイマセン。
最高傑作を書いて、、、? 否、読んでしまった悲劇。
山田先生のSF作品は、どうやっても『百年法』が基準になってしまう。
葉真中顕先生の「転落モノ」における『絶叫』みたいなポジション。
絶対不可侵の頂点から新作の面白さを削ってくるという、この理不尽さにどう抗うか。
読む順番はまさに運としか言いようがないだけに、如何ともしがたいところ。

>推計によると、地球上の雲に棲息する微生物の全個体数は10^19に達する。
これは、大気の物理化学的なプロセスに影響を及ぼすのに、充分な量と思われる。

大気中の微生物が異常繁殖することによって発生する異常気象「有害気塊」
その赤黒い雲の周囲は極度の低酸素状態に陥る、まさに空の赤潮。
この「有害気塊」の発生が日常となった近未来、年を追うごとに低下していく酸素濃度の中、懸命に未来へ希望を見出し、今を生き抜こうとする人々を数世代に亘って描く。

前を走る『百年法』の幻影に、引き離されそうになりながらも必死に喰らい付く読書となりました。
先に『百年法』さえ読んでなけりゃ、素直に褒められるものを、、、
時空間を超越した圧倒的スケール感はまさに稀有壮大。
しかしそれ以外の要素、キャラクターの魅力・ストーリーの面白さ・世界観の作り込み等々全てが『百年法』より一回り小さい。そーね、、、「七十五年法」ぐらいの感じ。
褒めたい、普通に面白かったッ!と書きたい、書き殴りたい。
しかし、先を走る偉大なる兄の影は遠い。

本文二段組にして全424ページ、堂々たる長編。
しかしッ今作の壮大な世界観を描き切るには余りに、余りにもッ少な過ぎるッ!
数巻に跨ぐ大長編、大河小説として読みたかった。
数世代に亘るキャラクターたちの成長が胸に迫るだけに、ホントに惜しい。
量という武器を得て、もっと丹念に描けていれば、、、
物語がクライマックスに差し掛かりこれから盛り上がるぞと期待しようにも、後数十ページしかないんだもん。
この展開で残り数十ページじゃ畳めんでしょと予想するに、やはりの駆け足処理。
いやぁ〜もったいない、実にMOTTAINAI
ばら撒いた伏線やキャラの心情の移り変わり等、いくらでも盛り込めるシチュエーションが眼前で次々と流されていくのを見送ることしか出来ないこの忍びなさ。
人類滅亡の危機に瀕した人々の混乱を、生活面や科学技術面からだけではなく政治面からも読みたかった。
あの壮大な世界観を大河小説としてじっくり表現出来ていれば、或いは前を独走する『百年法』を抜き去ることも出来たかもしれませんが、今回は追い上げ及ばず逃げ切られてしまいました。

そう、政治面なんですよ。
『百年法』でどこが一番面白かったかといえば、まさに権力闘争、政治パートだったわけで。
「有害気塊」に対する最終手段として、外界と完全に遮断された都市「シールドポリス」を建設するんですが、当然ながら全人類が移住出来る余裕はない。
そこで“選別”が行われるわけです。
要は、ノアの箱舟に乗れる者と乗れない者が出てくると。
この生と死、希望と絶望、憤怒嫉妬猜疑羨望諦観とあらゆる葛藤を越えて到達する、未来へ命を繋いでいくという思い。
コレコレッこれですよ、ココが今作の一番の読み所。
さっきの葛藤からくるデモやテロと家族愛の感動で押し切られますが、もっと政治のドス黒さを捩じ込んで欲しかった。
作中「シールドポリス」への移住権は人工知能による厳正な抽選という設定、イヤイヤイヤ、ちょっと待って下さいよぉ〜〜不正・権力行使・縁故 etc., etc 他にもホラ、いくらでもあるじゃないですかぁ〜〜MOTTAINAIないなぁ〜〜ホントにもう。

自分だったら実際どうです?
人類滅亡の危機に際して、他人を押し退けてでもノアの箱舟に乗りたいですか?
俺はね、、、そこまではないかな。
自分一人だったら嫌ですよそりゃ、でも全人類道連れでしょ、じゃあしょうがないかなみたいな。諦観ですね。
むしろ、何が何でも生き残ってやるッ!!とギラギラ本能剥き出しの人がちょっと羨ましいかも。
今日本は有事ではないとはいえ、只漫然と生きているというだけではなく、有意義な人生を送ろうと思えばそれなりの強い生命エネルギーが絶対に必要ですから。
加齢を経て、欲というものが薄れていく気軽さと寂しさを同時に噛みしめている今日この頃。

で、結局何が言いたいかというと、、、
『百年法』→267
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1969847699&owner_id=263792
読んでってこと。


ルイージの悲哀
★★★☆☆
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