伊東潤著
部数が下げ止まらない歴史雑誌の編集者菅原は、編集会議で苦し紛れに八甲田山の企画を提案する。
行きがかり上企画を担当することになり現地に飛ぶ菅原。
丹念な取材で浮かび上がるいくつもの謎、次第に八甲田山へのめり込んでいく菅原。
百年の時を超え明らかになる真実とは、、、
「八甲田雪中行軍遭難事件」がテーマ。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%AB%E7%94%B2%E7%94%B0%E9%9B%AA%E4%B8%AD%E8%A1%8C%E8%BB%8D%E9%81%AD%E9%9B%A3%E4%BA%8B%E4%BB%B6
映画が超有名ですよね、当然俺も観てます。
伊東先生と八甲田山の組み合わせ、これは期待大と即座に手に取らせていただきました。
、、、ミステリー?
あらすじで分かる通りミステリーなんです。伊東先生といえば歴史小説なんで、てっきり今作も歴史小説とばかり。
まあね、表紙の手袋で何となく違和感はあったんですが、そうですかミステリーですか。
いやぁ〜〜それにしても伊東先生の引き出しの多さにはいつも驚かされます。
戦国・幕末は言うに及ばず、あらゆる時代の歴史小説を網羅してからのミステリーですか。
さて得意ジャンル以外の作品でどう攻めてるのか、とくとお手並み拝見。
、、、、、、。
スイマセン、捻らず普通に歴史小説で良かったんじゃね?というのが正直な感想。
ミステリーの現代パートより、事件当時の生々しい描写の方が圧倒的に面白い。
逆の言い方すれば、緊迫した過去パートから現代に話が戻るとどうしてもダレます。
そもそも実際にあった事件に後から創作した謎をくっ付けて、無理矢理ミステリーに仕立てるというプロットはかなり強引な手法に感じました。
さらにッ!ここに恋愛要素も捩じ込んできます。
正直いるか?
菅原の上司、編集長桐野との不倫関係。
この桐野が女性を武器に出世街道をのし上がってきたという、これまたベタベタな設定。
伊東先生、ミステリーに増して恋愛モノはさらに苦手とみた。
いや、あのね、絡みが何っつーかその、ぎこちねぇス。
読んでてゾワゾワして全身がこそばゆくなってくる始末。
しかもラストにもしゃしゃり出てきやがって、折角爽やかな読後感に浸っているのにブチ壊しもいいとこ。
、、、おっとネタバレが過ぎたか、、、
っつーか、表紙もネタバレし過ぎでしょ。後半の展開、完璧に予想出来ちゃうじゃん。
核心の「八甲田事件」の描写が圧倒的なだけに、肉付け部分の不味さが残念でなりません。
今作と出会って、やはり伊東先生は【歴史】小説家だと確信致しました。
しかしながら歴史小説家として名声を得た後も、新作の度にあらゆるジャンルに挑戦し続ける先生のその心意気には大いに感服するものであります。
歴史小説に集中して欲しいという熱い思いと、先生の新しい面も覗いてみたいという淡い期待。
何とも読者というものは、適当でいい加減で自分勝手なモンです。
最高の素材を最高のシェフが料理して味がイマイチという稀有な例
★★★☆☆
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