『ダークゾーン』 貴志祐介著
ジェットコースターって二種類あんでしょ。
カタンカタンカタンつって徐々に登っていって頂上からギャーーってなるタイプと、いきなり急発進するヤツ。ドラッグレースみたいな。
ま・さ・に後者。プロローグ一切無し、1ページ目から殺し合いの只中に叩き込まれるッ!
主人公はプロ棋士を目指す青年。
舞台は長崎県端島、かつては海底炭鉱で栄えたが現在は廃墟の通称「軍艦島」
何故こんな所に?
訳も解らぬままゲームが始まる。
勝負は人間将棋、駒は怪物に姿を変えられた友人・知人・恋人たち。
敗北は消滅あるのみ。地獄の闘いが今始まる。
文句なしの面白さ。
五百項怒涛の展開。全八局を闘うわけだが、同じゲームを八回繰り返して全く飽きさせない。
将棋を土台にしながら、巧妙なゲームシステムを作品内に構築している。
毒蜥蜴(バジリスク)、鬼土偶(ゴーレム)等モンスターのネーミングもRPGでファンタジーに慣れ親しんでる自分にとってはすんなり入ってくる(TVゲームのプレイ経験の有無・濃淡が、今作の評価を大きく左右すると思われる)
いや〜貴志先生文章が若い、携帯小説やライトノベルのような軽快さ(読んだことないけどw)
それでいて血の臭いが鼻をつく様な圧倒的戦闘描写。
何故軍艦島に? 何故こんな理不尽なゲームをやらされる羽目に?
対局の合間に回想をはさみ、駒となった友人たちとの因縁を小出しにしてくるのもウマイ。
バトルともう一方の軸、将棋界の内実、プロ棋士を目指すことの厳しさも非常に読ませる。
限定空間に軟禁されサバイバルを強要されるという徹底的に使い古されたシチュエーションながら、先が読みたい、先を読ませるの一事においてその読書牽引力は強烈。
主題?文学性?これぞエンターテインメントの王道。
しかし五つ星付けるとなると、薄さが気になるこの矛盾w
「六道の修羅界」、おぉソレ俺も構想したことある!
★★★★☆
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