『THE WAR 異聞 太平洋戦記』 柴田哲孝著
戦国と並んで御得意の、「第二次世界大戦」モノ。
ダサいタイトルで手に取るのを躊躇したが。
THE WARって・・・「異聞太平洋戦記」だけでいいではないか。
そこはかとなくハズレの臭いが漂う。やってしまったか。
太平洋戦争の謎に切り込む短編連作。
東京大空襲、真珠湾攻撃、山本機撃墜、沖縄戦久米島事件、ノモンハンの全五篇。
結論から言うと・・・面白かった。
二百五十項弱とはいえ、前冊読了から一週間しか経っていない読書ペースをみても明らか。
やはり面白いと捲る捲る。
しかし、手放しでは褒められない。
完全なるトンデモ本の世界。
一体どういう層を狙っているのか?
「フリーメイソン」まで引っ張り出して娯楽路線を突っ走るのかと思いきや、凄惨な久米島事件を迫真のリアリティで描写する。
どこまでが事実で、どこまでが資料を元にした推察で、どこまでがフィクションなのかが非常に曖昧。
それでいて痛快娯楽路線の部分は、作品から“浮き”まくっている。
いかに短編連作とはいえ、この一貫性の無さには戸惑う。
日本空軍という呼称や、ノモンハンにおける彼我の損害数が定説と大きく異なる等、おやっと思う記述も多い。
先の大戦に知識も興味もない読者には、本書は全くもって受け入れられないだろうし、ある程度の知識を有する読者には粗が目立つという、まさに全てに於いて中途半端な印象。
し・か・し、面白い。
洒落が通じる軍オタ限定
★★★★☆
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