永瀬 隼介 (著)
意味深なタイトル、威厳漂う表紙、帯の煽りで決まり。
俺ってば、またもや御得意の早とちり。
過疎化が進む限界集落を、如何に維持するかという濃厚な人間ドラマだとばかり。
地方の衰退は喫緊の社会問題。
地味で泥臭い展開を予想して読み進めるに真逆、エンタメ全振り作品でした。
架空の地方都市「清河市」が舞台。
市長秘書を務める「泉敏郎」は、ある構想を市長に提案していた。
鹿や猪が喰い荒らし食害が問題になってるほぼ無人の山間部「鎌刈集落」に、狼を放ち生態系を回復させ、そして狼そのものを観光資源として活用、地域の活性化を図る「ウルフプロジェクト」である。
しかし市長の強引な誘致活動によって、鎌刈に民間刑務所の建設が決定する。
土建利権と自然保護の対立に集落の過酷な開拓史が絡み、敏郎たちの運命を翻弄していく、、、
「ウルフプロジェクト」からの生物学的アプローチか、それとも過疎を食い止めるために行政は何が出来るのかというお仕事モノ系の切り口か、はたまた泥沼の利権争いを生々しく描き切るのか。
こりゃどう転んでも、重厚な描写になるぞと。
、、、全然違うじゃん。
気付いたら、狂人vs.外道のサバイバルデスゲーム開幕ッ!!
何で???
今朝水揚げされたばかりの大間の本マグロ、特製スパイシーマヨソースでどうぞ♪
オイオイッ普通にワサビ醤油で食わしてくれよ、みたいな。
極上の素材がド派手に調理されてて呆然。
決して不味くはない。美味い美味いけど、スパイシーマヨが強過ぎて脂の旨味が飛んじゃってます。
そういえば中学時代のイジメ、登場人物謎の失踪など、不穏な伏線は至る所に。
この素材なら、バイオレンスやミステリー要素で無理矢理エンタメ化しなくても、社会派として真っ向勝負できたと思うけどなぁ〜〜
「ウルフプロジェクト」や過疎化対策についてもっとじっくり読みたかったというのが、偽らざる正直な感想です。
永瀬先生、十一年振りですって
★★★☆☆
ログインしてコメントを確認・投稿する