貴志 祐介 (著)
書架にて未読貴志作品を二冊発見!どれどれと、早速端末であらすじを確認。
『兎は薄氷に駆ける』
>資産家男性が愛車のエンジンの不完全燃焼による一酸化炭素中毒で命を落とす。被害者の甥の自白で事件は解決と思われたが、それは15年前の殺人事件に端を発する壮大な復讐劇の始まりだった。
『我々は、みな孤独である』
>探偵・茶畑徹朗の元に「前世で自分を殺した犯人を捜してほしい」という不可思議な依頼がもたらされた。前世など存在しないと考える茶畑と助手の毬子だったが…。
兎か孤独か、くうぅ〜どっちも面白そう。
コイントスか何かで適当に選んで、次回外れた方借りればいいじゃんって、←コレが出来ないのが辛いところ。
「一年一作家一作品」乱読派の掟が俺を縛っているのです。
あッ!!既に『青い炎』読んでんじゃん(爆)
今年二冊目の貴志作品ということに、今作を読み始めて気付くという大失態。
っつーわけで、「孤独」はまた来年ですね。
さて何故「兎」を選んだかというと、「孤独」は前世というスピリチュアル成分が不安要素だったんで、より安牌の「兎」にしました。
で、今作ですが、、、
法廷モノじゃねぇーーかッ!!
マジかぁ〜、法廷モノ好みじゃないんですけど。
あちゃー「孤独」にしときゃよかった。
法廷・医療・恋愛は、俺の三大忌避ジャンル。
、、、、、、。
あッバレました? 感想じゃないことでの尺稼ぎ。
案の定法廷モノは合わなくて、謎解きのエンジンがかかるまでは退屈でした。
正直ココに書くこともあんまなくて。
だもんで、こっから先は無理くりの練り出しです。
今作を読んで、こんな感想になるのは少数派だと自認してます。
反感を覚える方もいらっしゃるでしょうが、悪しからず。
冤罪がテーマ、かなり重い話。
兎に角、二元論がキツ過ぎる。
警察や検察、国家権力の描き方がひたすら醜悪。
勿論、冤罪は絶対にあってはならないこと。
そしてそれと同じくらい、罪を犯した者が法の裁きを免れるということもあってはならないはず。
人権は全人類が平等に有するもの。
当然理解しているつもりですが、世の中には被害者より加害者の人権を優先している事例も見受けられます。
理想論だけで社会は回りません、正義を執行するにはそれを裏付ける力が必要不可欠なんです。
人権派弁護士という肩書に、アレルギー反応を起こす自分がもどかしくも読み進めることに。
そもそも登場人物を善悪や美醜でキッチリ仕分ける手法は、俺が最も嫌うところ。
しかも今作の法廷で追及されるのは、真実ではなく復讐。
俺は復讐を肯定しませんが、理解はできます。
自分の人生をかけてでも許せないことがあるならば、動く者はいるでしょう。
しかし、関係ない人々を巻き込むことは絶対に許されません。
証拠隠匿は弁護できませんが、周到な罠に嵌められた悪徳刑事にも情状酌量の余地があるはず。
シャアもデギンだけにしとけよってこと。
キシリアはまだしも、ガルマは関係ないじゃん。
加えて、ガウやザンジバルに乗り合わせている一般兵まで巻き添えにするに至っては言語道断。
如何に大義を語ろうとも、自らの目的達成のために他人の人生を犠牲にする輩の言動は絶対に信用できません。
例えが昭和過ぎましたね、ゴメンナサイ。
「兎は薄氷に駆ける」
薄氷どころか地雷原です。
主人公「日高英之」に感情移入するとすれば、まさにこの一点のみ。
究極の利己主義者ながら、同時に凄まじいまでのリスクを背負いこむその胆力。
針の穴を通すような計画を実行する様は、まさに驚愕と呆然の感情反復運動。
反権力の爽快さに溜飲を下げた読者も多いことでしょう。
しかし、空気を読まず敢えて問いたい。
法治国家の法廷に於いて、真実が蔑ろにされることがあってもいいのかと。
過去の無実を証明するために、新たに別の罪を犯すという矛盾に耐えられません。
この物語の後、薄氷を駆け抜けたその先に、真実があるのかもしれませんが、、、
まあ、こんなとこですかね、ちょっと世間様とズレ過ぎたかな。
俺は保守的な人間なんで、国家権力よりも犯罪の方が遥かに嫌悪感が高いのです。
ミッションインポッシブルな復讐計画、素人探偵役「垂水」の異常な捜査能力、極めて煽情的で単純な善悪二元論と、気になるご都合主義や受け入れられない要素もあれど、苦手な法廷モノが面白く読めたのも事実。
こうなったらいっちょ、医療モノにも挑戦してみますか。
納得の毎日新聞出版刊
★★★☆☆
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