mixiユーザー(id:263792)

2024年06月15日10:57

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392冊目『正欲』

朝井リョウ著

「特殊性癖」という非常にセンシティブなテーマを、真っ向から採り上げた朝井先生に敬意を表します。
さてと。何から語りましょうか、、、

先ず「正欲」って、いきなり皮肉がキツいですね。
正しい欲=成人した異性に対してのみ向けられる恋愛感情及び性的興奮、正常な性欲
この社会的規範から外れてしまった者たち、そしてその周囲で戸惑う人々、本能的嫌悪感を解放する大衆が描かれます。

解る解りますよ、、、否、他人の人生を軽々しく解ったなんておこがましいですよね。
でも解ろうとするのが人と人の結び付きだし、歩み寄りをお節介だと拒否されたら他人にはもう何もできないのでは。

そもそもなんですけど皆さん、幸せの認定基準が厳し過ぎやしませんか?
インスタに映え写真貼り付けて、キラキラした日常を見せびらかせなきゃ駄目なんですか?
孤独でもいいいじゃん、一人でもいいじゃん、誰かに貴方を理解してもらわないと生きていけないなんて難易度高過ぎるぜ。
上を目指す方はガンガン上を目指していただいて結構。
でも俺たち凡夫は、五体満足健康で、毎日三食食べられて、暴力や権力に自由を抑圧されてないのなら、その状態を幸せと定義してもいいんじゃないでしょうか。

読書中自殺を試みようとするキャラを目の当たりにして、あれッ!?コイツより俺の方が孤独なんじゃね?と認識したら、感情移入度が急速に萎えたのを覚えてます。
所詮「正欲」者には「特殊性癖」者の気持ちなんて解らない、、、ハイ先述した通り解りません。
でも社会で共存していくことはできます。
日本国の法令を遵守し、他人に迷惑をかけない(曖昧な表現なので後述します)限り、俺たちは自由なんです。
勿論、「特殊性癖」にもいろいろありますんで、許容されるものと絶対に許されないものがありますが。
作中の「特殊性癖」は、勢いよく迸る水に発情するというもの。

、、、、、、。

えぇーーと、あのーー、、、死体や幼児に興奮するとかじゃなくて、みッ水ッ???
こんなの、ステージ�犬梁臘牡發世辰得篷召靴討燭虔愴襪任靴拭△澆燭い覆發鵑任靴隋�
何も解ってない奴が申し訳ないけど、正直に言わせてもらえれば、何をそんなに深刻に悩んでるんですか?って感じ。
公園の蛇口を盗んだり壊すのは駄目です、犯罪ですから。
自分の水道料金の範囲内で、他人に迷惑をかけない(曖昧な表現なので後述します)程度にバシャバシャすんのは全く問題ないんですけど。
自殺どころか、悩むことですらない。余裕でカミングアウトできるレベル。

周りに水に興奮するヤツがいたとして、変質者だって吊るし上げます?
「ほ〜〜ん、変わってんね」で終わりでしょ。
ただし、色眼鏡で見られるのも嫌というのは我儘というもの。
人の感性は絶対不可侵。自らの正義を他人に押し付けたとき、そこに争いが生まれます。
水に興奮する自由があるように、水に興奮することを変わってると感じることもこれまた自由。
肯定を強要せず排除もしない、お互いが程良い距離感を保って共存できる社会。
結論なんでもう一度言わせてもらいます。
日本国の法令を遵守し、他人に迷惑をかけない(曖昧な表現なので後述します)限り、俺たちは自由なんです。

だけどもこの世の中には、白黒ハッキリしないグレーゾーンってのがあるわけで。
法律で区切れない曖昧な部分をどうするか?
「他人に迷惑をかけない」
これがね、ホント曲者でして。
法律の手前、礼儀・マナー・配慮・気遣いの段階。
こんなの言わなくても解るだろという人それぞれの常識、十人十色の価値観、これらの押し付け合いの匙加減。
この「他人に迷惑をかけない」や「他人を不快にさせない」という曖昧な概念を、自らの正義感でカチカチに固めた大槌こそ、所謂一つのポリコレハンマー。
意識高い系の良識派が正義と信じて、世の中のあらゆる価値観をポリコレハンマーで粉々に砕いていく恐怖。
他人に迷惑をかけず不快にもさせない、自分らしく自由に生きていける社会。
言葉にすると簡単そうなんだけどなぁ〜〜

っつーわけで、ガチの「特殊性癖」で悩める方からしたら温い内容ですが、今作に救われる読者も多いことでしょう。
深淵を覗けども降りない作品かと。
っつーか日本人、悲観的過ぎなんですよ。
もうちょっとこの国に生まれたついた縁を楽しめばいいのに。
さっきも書いたけど、貴方が五体満足健康で、毎日三食食べられて、暴力や権力に自由を抑圧されてないのなら、思い立ったその瞬間から人生を変化させていくことができるはず。俺たちは自由なんです。

水に興奮する変態だから死にたいって、阿保かッ!!


趣味趣向を先回りされることを「天沢聖司」で例える感性の若々しさに乾杯
★★★☆☆
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