mixiユーザー(id:263792)

2022年09月24日13:15

455 view

355冊目『白と黒』

横溝正史著

皆さん御存知、あのッあのッッ名探偵金田一耕助ですよッ!!
基本、あんまり古い作品は攻めないんですが、ここに来て遂に横溝正史先生と初対決です。
正直、シリーズ王道中の王道『八つ墓村』と迷いに迷ったんですが、突飛な設定に惹かれ今作を選びました。

、、、、、、。

雰囲気か違う。
勿論、連続殺人事件が起きて金田一の名推理が冴えわたるという大枠は一緒。
俺が想像してた金田一耕助シリーズのイメージと雰囲気か違う。
金田一作品と言えば誰もが連想する設定、戦後混乱期の田舎の豪邸が舞台で、過去の因習に絡めとられた人々の悲劇というあのド定番設定から外れてるんです。
昭和三十五年秋、住民を中傷する謎の怪文書が出回っている世田谷区の団地を調査のため訪れた金田一、そんな中ゴミ捨て場で顔面を煮え滾るタールで焼かれた変死体が発見されるとまあ、お決まりのパターンで始まるんですが、ちょっと待って、、、

昭和三十五年?、、、へぇ〜戦後すぐじゃないんだ、、、せ、世田谷ッ!?だ、団地ッ!?!?

余りに“団地”のインパクトが強烈過ぎて思わず手に取ったんですけど、読み進めるにコレじゃない感が半端ない。
舞台が都会の団地じゃ、あの金田一シリーズ特有のおどろおどろしさが決定的に欠けてます。
やっぱ安牌の『八つ墓村』にしときゃ良かった。

あのね、俺が想像してた金田一と違うって、コレがオリジナルだっつーの。
そうなんですよ、横溝正史先生のオリジナルじゃなくて、市川崑監督の方が刷り込まれちゃってるってオチ。
ここ十年、小説を読むようになって改めて、映像が持つ威力に驚かされてます。
先に映像で記憶に焼き付けられてしまうと、後から活字を読んで想像しようにも太刀打ちできません。
っつーわけで、都会の団地が舞台というシリーズ中の異色作&映像イメージの先行固着が重なって違和感を抱きつつ読み進める羽目に。
只の自縄自縛じゃんって、仰る通り。申し訳ありません横溝先生。

盛り沢山ッ!!
流石日本ミステリー界の重鎮横溝正史御大、盛りに盛りまくってます。
団地という閉鎖空間に集う雑多な人々、そこで繰り広げられる複雑怪奇な人間模様、奇抜なトリックとどんでん返しに次ぐどんでん返し。
要素が盛り沢山どころか多過ぎて、渋滞してます。
前回の「代官山」とは真逆、取り敢えずリアリティや整合性は置いといて、エンタメに全振り。
前回は普通過ぎて些か物足りないなどと偉そうに宣っておりましたが、今作はサービス精神過剰で胸焼け気味。
ホントねぇ〜〜、ああ言えばこう言う、文句ばっかでスイマセン。

でも「面白かったですッ!!」「最高でした♪」つって、映画の宣伝みたいな上っ面の感想は書けないんですよココでは。
感じたことをありのまま書くっつーのがココの掟なんで、これだけは死守させていただきます。
御無礼は平に、、、

次から次へと展開されるストーリーながら、殆ど心に響かない。
何故ならキャラクターが弱いから。
勿論犯人も意外な人物です、本来ならば「コイツだったのかッ!!」となるところが、「ふ〜〜んコイツだったのね」止まり。
何故なら真犯人もキャラクターが弱いから。
先ずカブリ多過ぎ。
謎の美女におきゃんな娘、っつーか、警察関係者あんないるか?ミスリード役の等々力警部だけで十分でしょ。
昭和中期のキャラクターの心情や台詞回しも驚くほど古臭いです。
所轄の刑事なんか、まるで岡っ引き。
ホントにこんな喋り方してたの?みたいな、、、まあ、言っても六十年前ですからね。
肝心の金田一耕助も薄い薄い、悉く脳内で記憶に刻まれている石坂浩二さんに塗り潰されていきます。
先述の通りトリックは奇抜で話は複雑なんですが、何せキャラクター各人、特に重要人物の決定的行動における動機や信念が弱くストンと腑に落ちません。当然同情や共感も呼ばず。
大量に配置されたキャラクターながら、只の一人にも感情移入出来ませんでした。

そんなわけで大長編を淡々と読了。
朧気ながら自覚してましたが、どうやら俺はミステリーというジャンルとあんまり相性がよろしくないらしい。
兎に角細かいことに引っ掛かる神経質な人間なもんで、少しでも「うん?」となっちゃうと、そっから無限に違和感が増大してしまう。
物語を楽しむというよりは、謎解きの整合性や動機の必然性をチェックするばかりの読書になってしまいがち。
だから今作にしても主軸のミステリーではなく、舞台設定である昭和中期の風俗習慣の方に面白みを感じた次第。
本命よりオマケの方が当たりだったっつーね。
そうね、江戸時代に輸出された陶器を緩衝材として包んでた、浮世絵みたいなもんです。


謎の言葉『白と黒』の意味とはッ!?、、、ふ〜〜ん
★★☆☆☆
1 1

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2022年09月>
日 月 火 水 木 金 土
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930 

過去の日記

2026年
2025年
2024年
2023年
2022年
2021年
2020年
2019年
2018年
2017年
2016年
2015年
2014年
2013年
2012年
2011年
2010年
2009年
2008年
2007年
2006年
2005年
2004年
  • 01月
  • 02月
  • 03月
  • 04月
  • 05月
  • 06月
  • 07月
  • 08月
  • 09月
  • 10月
  • 11月
  • 12月