mixiユーザー(id:263792)

2022年08月21日10:45

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353冊目『野良犬の値段』

百田尚樹著

何と十二年振り。
『永遠の0』→感想文脱稿初期の為、通し番号不明
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1633492967&owner_id=263792

いやあ〜〜ホントにお久し振りです、百田先生。
『永遠の0』が余りにも良過ぎて、再戦するのに十二年もかかっってしまいました。
「第一回 今月の二冊から選ぶ今年の一冊大賞」大賞受賞作にして、初の満点五つ星。
まさにこの感想文日記における伝説的作品の一つ、インパクト強過ぎて他の作品読めませんって。

っつーわけで、作品からは離れてましたが、百田先生御本人は様々なメディアでちょくちょく拝見致しておりまして、、、
ほら、キャラが特濃でらっしゃるから。
一度見たら忘れられない禿頭、関西弁で冴えわたる保守愛国論説。
ハッキリ申し上げて作品より作家本人が前に出てますよね。いざ作品に浸ろうと思っても、それより先に先生の御尊顔が浮かんで来ちゃう始末。

あくまで俺個人の意見、否定じゃなく感じることを正直に述べさせていただきますと、作家は文章のみで勝負して欲しいッ!!
よく裏表紙に顔写真載っけてる作家さんいらっしゃいますけど、アレ激萎え。
作家の容姿やその他個人情報等、一切不要。我が欲するは作品内の文章のみ。
だもんで、俺からしたら作家さんがワイドショーで自らの思想信条を熱く語るなんて言語道断なんです。
繰り返しますがあくまで俺個人の意見ね、否定じゃないですよ。
思想的には非常に近しいとはいえ、そういう意味で百田先生は避けがちな作家さんなのです。
うん?またもや感想文以外で暴走してますけど、、、
作家に作品だけで勝負しろっつーなら、お前も感想だけ書けと。そうなんです仰る通り。

都内で複数のホームレスが誘拐される事件が発生。
犯人はネットを通じ、大手メディアに身代金を要求してくる。
人質と全く接点のないメディアの戸惑いと、犯人とのやり取りが逐一ネットで拡散されていく。
かつてない劇場型犯罪に振り回される世間と警察。
果たして犯人の目的は? そして社会の底辺で生きる人々の命の価値とは?

ズバリ書きます242です、242ページまで我慢して下さいッ!!

第二部からが本番、こっからメチャメチャ面白い。
その代わり第一部がクソつまんねぇっス。マジ参った、書いてんのゴーストじゃね?ってくらい。
文章も誰が何をした「主語+述語」連発で単調、まるで日本語の教科書みたい。
キャラクターは大量に出てくるものの、一人として物語を牽引する魅力は無く、モブ群像劇の様相。
まさかまさか、初の満点五つ星かーらーの、初の途中棄権作品になるかッ!?
まあそれはそれでパンチはあるけれども、出来れば途中棄権はしたくないと頑張って読み進めるうちにやっとこ件の242ページに到達、待望の第二部突入ッ!!

ただね、どう第二部から面白いかっつーのが説明出来ないんですよ、何故ならネタバレ直結だから。
しかしまぁ、このサブスク全盛期によくぞここまで引っ張りましたっつーか。
最近は開始数十秒で何か掴みをブチ込まんと、すぐチャンネル変えられちゃうんでしょ?
前振り仕込んで、じっくり観せていくのはあんま流行んないと聞きました。
やっぱ小説はちょっと勝手が違うのかな、そういえば直近でも本題まで引っ張る作品に結構当たってますもんね。

さて今作評価の鮮やかなる反転をどう説明すべきか、、、
冷静になって考察するに、百田先生の日頃の言動、その思想信条から十分にストーリー予想は可能。
もうこの↑一文だけでかなりのネタバレですけれどもw
当然のことながら、俺が面白いと感じるのは百田先生と考え方が近いというのもあると思います。リベラル志向の方はいろいろと引っ掛かるところもあるかと。
しかし社会の底辺で苦しむ弱者を如何に支援していくかという問題提起に関しては、大いに頷けるところもあるんじゃないでしょうか。
劇場型犯罪の誘拐事件という派手な衣を纏ってはいますが、今作のキモはまさにココ。

過度に発達した資本主義が人間性を食い潰していくというのは、まさに今ここにある危機、日本のみならず全世界的な問題です。
貧困に喘ぎ不幸に疲れ果て人生を投げ出した人たち、所謂“無敵の人”対策は喫緊の課題。
今までは暴力は内側(自殺)へ向かうことが多かったですが、ここに来て無差別通り魔事件など外、社会への復讐にシフトしてきている感じを受けます。
憲法で保障されている「健康で文化的な最低限度の生活」は絶対に死守されなければなりません。
ここまでは殆どの人の共通認識だと思います。ただそのやり方進め方で意見が割れて、中々具体的な政策が実行されないのは何とももどかしいところ。
今は普通に暮らせてても、何かの切っ掛け(病気・事故・犯罪・天災・事業の失敗etc., etc)でいつ転落するか誰にも分らない。
そうなんです、俺だって貴方だって未来のことは解らない、“無敵の人”になってしまうかもしれないし、街を歩いてただけなのに“無敵の人”の標的になるかもしれない。
決して他人事じゃありません、社会全体で考えなきゃならない重大な問題なんです。

、、、って、また本の感想からズレてますけど。サーセン。
あとは、そうね、、、事件のトリックですが、まあ多少強引かなと。
警察が間抜け過ぎっつーか、サイバー捜査班もうちょっと優秀だろっつーか。
でも俺的に今作、ミステリーじゃなくて社会問題提起作だと思ってるんで無問題です。
それからオマケ的に興味深いのは、流石元放送作家だけあってマスコミ業界の内実暴露部分、蘊蓄てんこ盛りで読ませます。
今作ではゴリゴリのヴィラン設定、読者の怒りを一身に引き受ける損な役回りでかなり誇張されてるとは思いますけど、アレ、あながち嘘でもないでしょ。
俺も御多分に漏れずマスコミ嫌いなんで、大いに溜飲が下がるところでもあります。
しかしながらここいら辺は、やや百田節効き過ぎの感ありw危険部位ですから服用には注意しましょう。

と、相変わらずゴチャゴチャ書いてますけど、要は242です、242ページまで頑張って読み進めて下さい、話はそれからだ。


『永遠の0』読み直してます
★★★☆☆
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